2025年4月24日木曜日

レディ・スリッパーとクマガイソウ

地元のテレビ番組で”クマガイソウ”が咲いています、とのニュースを見て、え?これって・・・レディ・スリッパーじゃない!?? 目が釘付け。

正確にはレディース・スリッパー(Lady's Slipper)

名作『赤毛のアン』の舞台プリンス・エドワード島の州花です。
1947年に州花になりましたが、ピンク色をしたレディ・スリッパー(Showy Lady's Slipper: Cypripedium reginae)を正式に指定したのは1965年。

赤毛のアンの時代背景は19世紀後半ですから、その頃には州花は制定されていませんでした。
アンの物語にはたくさん植物が描かれていますが、レディ・スリッパーは出てこないんですよね。島には自生していたはずですから、どうして?と今も謎に思っています。

島には3種類のレディ・スリッパーが自生していると、当時購入した島の植物事典に書いてありますが、ピンク色のは珍しいとのこと。北アメリカ原産です。

島に住んでいる時に森に入って写真を撮りましたが、その時に一緒に行ってくれたお友だちが撮ってくれた私の写真を懐かしくなって出してきました。



35年前です。私、若いな~~~(^▽^;)
自分の写真をほとんど撮らないので、お友だちが撮ってくれた私の写真は今はとてもありがたく思っています。
私にピントが合っているのでレディ・スリッパーはちょっとぼけちゃってます。




これが同じ日に私が撮ったピンクのレディ・スリッパー。

花の形が、女性の上履き(スリッパ)に似ているからその名がついたとか。

事典にも絶対に採らないように、と書いてありましたが、レディ・スリッパーは絶命危惧種に指定されている貴重な植物です。

ラン科アツモリソウ属。和名はアツモリソウだと思っていましたが、クマガイソウという名前もあるのですね。他にもホロカケソウという名前もあるようです。

クマガイソウという名前は、平安~鎌倉時代の武将・熊谷直実に由来。熊谷が矢をかわすためにつけていた母衣(ほろ)に似ているところからついたとか。母衣がわからず、検索しちゃいました(^^;
ホロカケソウという名前はそれからですね。それをまとっていた熊谷直実の名前がつくなんて、おもしろいです。

クマガイソウはジャパニーズ・レディース・スリッパーという英名もあるそうで、日本自生種。

じかに見てみたいな~と思って、行ってきました。




掛川市の山あい、倉真。

車を走らせていくと、ちょうどクマガイソウを見るウォーキングツアーが開催される日でした。
1回目のツアーまで1時間もあったので一人で見に行くことに。




こちらが日本のレディ・スリッパー。クマガイソウ。
同じアツモリソウ属とはいえ、花の感じも、葉もだいぶ違います。
クマガイソウのほうがぽってりとしていて、葉も裾広がりで見栄えがします。
色は白に近い薄いピンク。




欧米の人はスリッパ、日本人は母衣。
見立てるものが違うのもおもしろいですよね。
私には臓器に見えて、かわいい、とは思えないのですが・・・
世界にはさまざまな植物があるので本当に興味深いです。


群生というにはとても少ない印象でした。後から来られた男性があちこちの山に登り植物の写真を撮っているという方で、ものすごく詳しく、周りに自生している植物のことも手取り足取り丁寧に教えてくださいました。
絶滅危惧種であっても、勝手に採って売ってしまう悪い輩がいるのだ、と話されました。保護活動をしている方も後からいらっしゃり、お話を聞くことができました。
こうした有志の方々のおかげで、なんとかもちこたえる感じです。

看板には信頼して一般に公開します、と書いてありますが、本当に悪いことはしないでほしいですよね。自分では動けず、人間が生態系を壊しているのに、さらに追い打ちをかけるようなことは。

家に帰ると、28日に発売の『図説赤毛のアン』が届いていました!
9ページ増えた増補版。
アンの物語に出てくる植物も詳しく解説しています。
レディ・スリッパーは物語に出てこないので掲載していませんが、モンゴメリも森を散策してこの花を見ていたはず。
みなさんもプリンス・エドワード島の森に思いを馳せてみてください(*‘ω‘ *)




さて、今後のお茶会のお知らせをいたします♪


****星の王子さまのお茶会****

「星の王子さま」のお話を読んだことございますか?
作者はどんな人? どんなお話?
知っているようで知らない星の王子さまを掘り下げます。

静岡市と掛川市、浜松市で3回、開催いたします。お申込みお待ちしています(*^▽^*)


@静岡市
通常は非公開の、ヴォーリズ建築のミス・カニンハムさんの建物も見どころです。お庭のバラも見ごろになるか!?

日時 2025年5月8日(木)
午後の部 13:30~15:00 残席1

場所 旧静岡英和女学院旧宣教師館ミス・カニンハム(静岡市葵区西草深町34-13)
参加費 3,000円(セミナー・紅茶・菓子すべて込み)駐車場はありません


@掛川市
2025年5月18日(日)13:30~15:00 残席あり
場所 カフェ&サロンSerendipity(静岡県掛川市大多郎39)
参加費 2,800円(セミナー・紅茶・菓子すべて込み)駐車場あり 公共交通機関でお越しの方はご連絡ください。


@浜松市
2025年7月23日(水)13:30~15:00 残席あり
場所 浜松市中央区入野
参加費 2,800円(セミナー・紅茶・菓子すべて込み)駐車場あり


****英国のアフタヌーンティーを味わおう@浜松****

二段、三段トレイを実際に使って英国のアフタヌーンティーをいただきます。アフタヌーンティーとは?その歴史やマナーなどについてもお話します。

2025年6月25日(水)
午前の部 10:00~11:30 残席2
午後の部 13:30~15:00 残席2
場所:浜松市中央区入野
参加費:3,300円(紅茶、アフタヌーンティー付き)駐車場あり


お申込み、本のお申込等のお問合せは奥田あてに!

こちらからどうぞ(goole form) 。返信はパソコンのフリーアドレスになります。受信拒否設定されていると返信メールが届かないので、数日たっても返信がない場合はお手数ですが設定を変更されるなど、お客様のほうで対処お願いします。
こちらからメールをしないということはございません。
携帯メールを使って送られてこられた方への私の返信がブロックされる例が多発しています。こちらでは対処のしようがありませんので、ご自身の設定を確認お願いします。
メールアドレスの入力ミス(打ち間違い)も過去ございました。再度フォームから入力をしてみていただくのも一案です。


これまで出版していただいた本がどんどん絶版になっています。原料高で増刷もないとのことです。新品でまだ購入できる本をまとめてあります。サインもいたしますのでご希望の方は ↑ からご連絡くださいね。


**インスタグラムやっています。フォローお願いします(^◇^)気軽な投稿はインスタのほうが頻繁です~*** ***フェイスブックはこちら。***