2018年6月28日木曜日

みちのくの小京都・村田(後編)

村田町観光前編のつづきです。

豪壮な店蔵は、ベニバナをはじめ、生糸や綿糸、味噌、しょうゆなどで富をたくわえた商人によって、江戸時代後期から大正時代ごろにかけて建てられました。

現在も残る蔵の町並み、建物の細部からは、当時の繁栄ぶりがうかがえます。 




 
電話番号表札が、各豪商の表門に掲げられているのは、当時電話をつけることができたという、富の表れなのでしょう。 


 
商家の敷地は、一般に間口が狭く、奥行きが深い短冊形の形状をしています。
店は街路沿いに建てられ、生活の場である主屋はその背後のつらなります。

さらに、敷地の奥に向かって、物品などを収蔵するための土蔵が立ち並びます。
これらの建物は、敷地の北側に寄せて建てられ、南側を村田石が敷き詰められた外通路が貫きます。

また、店の南脇、つまり外通路の入り口には、軒を深く張り出した大型の表門が構えられます。
このように、店と表門が街路に沿って交互に建ち並ぶ景観は、町並みの大きな特徴です。 



 
上の写真は「やましょう記念館(旧大沼家住宅)」。
中を自由に見学することができます(無料。村田商人「やましょう」は、町有数の豪商でした。建物に付随する表門(上の写真の左にちょこっと写っている)は、薬医門と言って非常に珍しいとされ「やましょう」邸のシンボルです。

離れ座敷は、名曲「影を慕いて」の作曲者・古賀政男氏も宿泊したことがあるそうです。 
このやましょう記念館は重要文化財指定を申請中。
指定されれば、村田町内では初めて、また、商家建築の重要文化財は県内で唯一となるとのこと。待ち遠しいですね。 


やましょう記念館の向かいにある雑貨屋さん。
やましょうが実家だとのこと。
蔵の資料館」と書かれてあり、蔵などに残っている古いものを展示した二階を、無料で公開しています。 



 
お店の奥にはお休み処(カフェ)があります。
上の写真を見ると、奥になが~く連なっている、この町の建物の特徴がよくわかりますね。 

土曜日だというのに、私たちのほかに観光客らしき人は一組みしかおらず、曇りという天気も相まってか、とても閑散とした印象で、こんなにいいものが残っているのに、本当に残念でなりません。
どうぞみなさん、村田を訪ねて口コミを広げていきましょう!! 

最近の調査で、力をつけた村田商人が、財政赤字に悩む村田の領主の求めに応じてカネを貸し付けていたこともわかりました。
返済の代わりに名字帯刀を許され、刀剣などを受け取っていたとのこと。
商人たちはさらに、凶作になると、困窮した住民に米や現金を施したり、米の安売りを行ったりして救済していたそうです。

天保の大飢饉の時には、京都の紅問屋や糸店から救済金が送られてきた記録も残っており、紅花ネットワークの結びつきの強さを示していると、新聞に書いてありました。 

そんなに栄えていたのに、衰退していったのはなぜでしょうか。

明治時代になると、沖縄や中国からの安い紅花が輸入され、さらにはドイツから化学染料アニリンが輸入され、その普及に負けてしまったのです。 

最近は、ベニバナを復活させる動きもあるようですが、ベニバナでの町おこしは山形のほうが先をいっている気がします。
がんばれ、村田!!  

2018年6月27日水曜日

みちのくの小京都・村田(前編)

「ジャックスビレッジ」でランチをした帰りに、村田町を訪ねました。

車でしたら5分と、とても近いので、ぜひ、訪ねていただきたいお勧めスポットです。 

村田といえば「スポーツランドSUGO(国際レーシングコースを持つ総合モータースポーツ施設)」が有名ですが、私自身の記憶は、小学校の時にキャンプに行ったことくらいで…。実はモータースポーツ目的には行ったことがありませんです^_^; 

そういうわけで、村田というところにも、仙台出身といいながら、ほぼ初めての感覚で行った私です。

目的は、平成26年に重要伝統的建造物群保存地区に指定された蔵の町並みを見るため。

町並みといっても、東西180メートル、南北約470メートルという、狭い範囲なので、歩いて廻れます♪ 

村田というのは、正直、田舎の、忘れ去られたさびしい村というイメージがあって(村田の方、すみません!!)…。
でも、実際に行ってみたらとってもすてきな町並みが残っている!!! 

けれど上手に活用されておらず、宣伝も行き届いておらず、もったいない!!!と正直思いました。 

村田は村田城というお城があった、れっきとした”小京都”であり、江戸から昭和の初期までは商業の町として活気があったのです。

今はなき村田城は、室町時代に、豪族の小山九郎業朝が居館として設けたのがはじまりで、地名の村田にちなんで村田姓にあらため、当地をおさめました。

その後、台頭した伊達家に従うようになり、その後、あの有名な伊達政宗の時代となります。 



 
江戸時代に商業の町として栄えた理由は、紅花(ベニバナ)の取引です。

ベニバナは、友禅や西陣などの絹織物を赤く染める染料として、また、口紅の原料として明治時代初期まで、高い値段で取引されました。

産地としては、山形県や関東地方などが有名ですが、仙南地方(現仙台市の南部で、旧柴田郡、旧刈田郡、旧伊具郡が該当する)でも栽培がさかんでした。

「南仙紅花」は品質がよく、江戸時代後期の18世紀末には、京都の市場で山形産を上回る値段で取引されたこともあります。

仙南の紅花以外にも、地域的に近い山形の紅花も取り扱っていたようです。 

ベニバナは各産地から村田に集められ、馬で大石田まで運ばれ、そこから最上川を船で下って酒田へ、そこから北前船で日本海を通って敦賀へ。そこから京都、大阪へ運ばれました。
陸路は、奥州街道で江戸へ。

そこから船で大阪方面へ。 
帰りの船には、さまざまな物資(呉服や雑貨、薬、海産物、砂糖や塩、書籍など)が積み込まれ、村田にもたらされました。

ひな人形や屏風といった都の文化が、みちのくの小さな町に残るのはそのためです。

 (つづく)  

2018年6月26日火曜日

イギリスをイメージしたリサイクル・ヴィレッジ

先日、父の一周忌で、実家の仙台に帰ってきました。
早いもので一年になるんですね。 

時間的に余裕があったので、以前から行きたいと思っていた「JAC's Village(ジャックスヴィレッジ)」に行ってみました。

私の実家は太白区(東北自動車道のほう)にあるので、ヴィレッジのある蔵王町まではそんなに遠くありません。
時間が読めないので、行きは高速を使って村田ICまでいきましたが、帰りは下道で30分くらいだったので思ったより近かったです。 


 
まるでイギリスの田舎の村を思わせるたたずまい。
オーガニック発祥の地イギリスのコッツウォルズをイメージして建てられたのだそうです! イギリス好きにはたまらないかわいらしさですが、実はここ、リサイクル&アップサイクルをコンセプトにしているんですよ。

建物や商品、さらにはエネルギーまで、そのほとんどがリサイクル。
マイナスなイメージのあるリサイクル業界の常識をくつがえすオシャレな空間に、驚かされます。
ジャックスヴィレッジというカッコイイ名前をつけたのもいいですね。 



 
足元の枕木は年を経た古材で、重厚な門や建物はすべて廃プラスチックの再生材でつくられているとのこと。

アップサイクルとは、リサイクル(再循環)のバージョンアップ版といえるもので、単なる素材の原料化、その再利用ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すことだそうです。

たとえば、ショップに並んでいた、テントを利用したエプロンや名工が廃鉄でつくった鉄鍋(スキレット)などですね。

ショップには観葉植物やガーデニング用品、イギリス雑貨などもたくさん並んでいて、見ているだけでも楽しいです。 

何より私にうれしかったのは、足湯があること。
ネットには、目の前に蔵王連峰が眺められる、と書いてありましたが、あいにく行った日はどんよりとした曇り(なにしろ梅雨の時期でしたので…)。蔵王は見えませんでした^_^; 

足湯は、リサイクルの処理工場で出る熱を利用して沸かしているとのことで、とてもすばらしい発想なのですが、いかんせん温度調整ができないらしく……その日は超高温!!!! あとからスタッフの方がホースで水を出してくれましたが、それでも熱くて熱くて、長くは足を入れていられませんでした…。
でも、絶対にまた足湯はします!!大好きなので(^◇^) 



 
フォトスポットもたくさんあります。
インスタにアップすると特典がもらえるみたいですが、時間がないので今回はパス。 


お昼はこちらのレストランで。
ステーキ食べ放題」に主人がくいつき^_^; 
事前予約をするととても安くなるので(本当にステーキ食べ放題ですよねと言いたくなるくらいのリーズナブルな価格!)、事前予約をして行きましたよ。

入口で大きなくまちゃんがお出迎え。ここもフォトスポット。 




 
スープや前菜、サラダ、ドリンクなどはブッフェ式。

ステーキは、大きなお肉がど~んと来たらいやだな…と思っていましたが、すでに切ってあるお肉を「いかがですか」とテーブルに持ってきて、取り分けてくれるスタイルです。

な、なんと、牛タンもありました!!! 

お肉もとってもやわらかくて、お肉があまり得意でない私もけっこういただきましたよ。
コスパもいいし、どれもおいしかったです。

ここ、また行きたい!! 

プラスチックごみの処理で発生する熱を利用して、品質のよい低コストの野菜やきのこを温室栽培しています。

ちょうどマルシェの日に行ったので、地元の新鮮野菜やお米類、廃熱利用の温室で栽培したきのこが販売されていたので、たくさん買ってきました。お値段もリーズナブルなの。
(車で行ったのをいいことに、お米も買ってしまった^_^;) 

義兄も言っていましたが、震災の復興はまだまだ終わっていないとのこと。

何ができるのか、私は実家もあるので度々訪れて、地元のものを購入することはできるので、復興の助けになるかなと思っています。

海外に行くことが多いですが、時間ができたら岩手、山形、青森と、東北を旅行したいと思ってます。 
旅行、どこに行こうかな~と悩まれることがあったら、よかったら東北にぜひおいでくださいm(__)m 

自分で言うのもなんですがとてもいいところです。