2019年8月18日日曜日

静岡へ美術館を訪ねて2019②

静岡美術館めぐり。 午前に行った静岡市美術館についてはこちら

午後は、静岡県立美術館へ向かいました。
実は、県立美術館に行くのは今回が初めて(^^; 
いい企画展をたくさんやっているのは知っていましたが、なんだかんだと行けずにいました。 

今回は、『熊谷守一 いのちを見つめて』という企画展で、心が引き寄せられました。
というのも、映画『モリのいる場所』を観て、熊谷守一に興味を持っていたからでした。 


 
1880年に生まれ、1977年に97歳で亡くなった長命な画家です。
赤の色鉛筆でくっきり輪郭線を描き、シンプルな色彩で色づける「モリカズ様式」と呼ばれる独特の画風を生み出しましたが、それは60歳前後で確立したものだとか。 

映画では、文化勲章を辞退し、一日中自宅の庭の草花や虫を眺めて観察する姿が描かれています。
数分で周れてしまう小さな庭でしたが、彼の宇宙がそこにありました。

晩年はほとんど敷地から出なかったことやその風貌などから、”画壇の仙人”ともいわれたようです。 

展覧会では画風を確立する以前の守一の作品も展示されているので、晩年の「モリカズ様式」の絵だけを見ていると、その単純さから、自分でも描けてしまうのでは、と思ってしまいがちですが、実は描けないのだということは私自身の経験からもわかっています。 

昔からの作品を見れば、並外れたデッサンのすごさがよくわかり、やはり基礎が出来ていてこその独自の画風の確立なのだな、と実感しました。 
 東京都豊島区には熊谷守一美術館があると知ったので、今度東京へ行く時は訪ねてみたいと思います。 



 
静岡県立美術館は、ロダンの彫刻を多数所蔵していることでも有名です。
ロダン館も見てきました。

彫刻の知識はまったくありませんし、自分でも彫刻的なことはしたことがないので(美術の時間の木彫りくらい(;^_^A)、作品としての彫刻はただただ、すごいな~~の一言しかありません。 
ここには有名な「考える人」「カレーの市民」「地獄の門」などの作品があります。
写真撮影もオーケーでした。 




 
次のバスの時刻まで時間があったので、美術館のカフェでお茶をしました。
大きな窓からハスの池が眺められて、落ち着きがある空間です。 

ここに和紅茶があるという情報は得ていて…ありました! 
静岡市清水区のグリーンエイトさんの和紅茶です。茶葉も売っていましたよ。 

マイルドとビターの二種あり、私はマイルドをチョイス。
マイルドは”静7132”でつくった紅茶で、マイルドとあるように渋みが少なく、個性的な香りが特徴です。 

ロダンの「考える人」のミニチュアの置物は、底にテーブル番号が貼ってあって、帰る時にこれを持ってレジに行きます。これはなかなかおもしろいアイデアですね。 


 
静岡駅の北口に、さくらももこさんの横断幕がかかっていました。亡くなってしまわれたのですよね…(;_:) 

静岡駅の観光案内所でこんなお茶関連のリーフレットを発見してもらってきました↓ 
お茶処なので、お茶関連の取り組みがいろいろあります。



2019年8月17日土曜日

静岡へ美術館を訪ねて2019①

まだお盆休みが続いている方もいらっしゃるでしょう。 
お盆休みは、大きな台風が上陸。
被害に遭われた方にはお見舞いをお申し上げます。 

我が家の周辺は、時折激しい雨が降りましたが、おかげさまで被害はありませんでした。
湿気を含んだ異常な暑さは今も続き、日本が、世界がおかしくなっていることを感じずにはいられません。

個人レベルからできることをやっていかないと…と、つくづく思います。 

さて、混雑するお盆は動かないようにしていますが、一週間のお休み、家でじっとしているのも体力が落ちそうで、ふと思い立って、静岡駅まで遠出してきました。 
 目的は、美術館めぐり。 


 
まずは、駅近で、私好みの企画展をよくやっている「静岡市美術館」へ。
2019年10月20日まで、『印象派への旅 海運王の夢――バレル・コレクション』を開催中。

大好きなスコットランドのバレル・コレクションから作品がやってくる!と聞いては、行かずにはいられませんよね(^-^; 
それも、73点すべてが日本初公開! 

バレル・コレクションのことは、お恥ずかしながら知りませんでした。
19~20世紀、船舶の売買で成功したウィリアム・バレル(1861~1958)が買い集めたコレクションだそうで、グラスゴー郊外に専用の美術館があるのだそうです。

国外へ持ち出してはならない、という遺言があったので、今まで一度も海を渡ったことはなかったとか。
それが、なぜ、今回日本へ来たのか??! 

2020年までバレル・コレクションが長いメンテナンスに入っているからだそうです。
維持費の確保のために外へ出したのでしょうか?
いずれにせよ、奇跡的に実現した今回の企画展なんだとか。 


 
個人のコレクションには、その人物の好みが現れるのがおもしろいです。

今回の展覧会は”印象派への旅”というタイトルがついていますが、バレルは印象派を特に好んで集めたというわけではなく、膨大な数の中から印象派を中心に展示した、という感じです。 

バレルは船舶の売買をしていたので、船の絵が好きだったとか。
また、日常の生活を描いた絵を好んだというのも、私的には共感ができます。

そして、自国スコットランドの画家の絵を多く集めたというのもポイント高し! 
忙しいバレルが自分で買いつけにヨーロッパに行ったわけではなくて、そこには信頼できる画商という存在がありました。

ゴッホの弟テオと一緒に暮らしていたアレクサンダー・リードが、グラスゴーの美術愛好家たち(バレルを含む)に、良質な絵を紹介したんだそうです。 

上野の美術館ほど大きいと、展示数が多いのはいいけれど途中で疲れてしまい、結局何を観たのかもわからなくなってしまうのですが(^^;、このくらいの規模の美術館がほどよいです。
余韻にも浸れてかえって満足感あります。
午後もまた美術展に行く時は、体力を温存しておかないといけませんしね(笑) 


 
チラシの表にも使われている、このエドガー・ドガの『リハーサル』だけは、撮影オーケーでした。
最近はネットでの拡散のために、撮影コーナーを設ける企画展が多いですよね。
でも、こうした美術絵画では珍しいですね。 

海外の美術館では撮影オーケーのところが多いので、たぶん、グラスゴーにあるバレル・コレクションに行けば撮影できちゃいます。
実際、行った方の記事では、気に入った作品の写真があがっています。 

今度スコットランドに行く時は、バレル・コレクションをぜひとも訪ねてみたいと思います!!! 
来年、私が同行解説するスコットランドツアーがあり、もし催行になったら一足早くスコットランド入りしたいと思っているのです。
が、来年はまだメンテナンス中だった(;^_^A 

再来年の春にオープンだとのことなので、これは再来年以降、またスコットランドに行く目的ができましたよ(#^^#) 

 (つづく)