2017年6月30日金曜日

プリンス・エドワード島ツアー日記 その1

2017年6月に、私が同行解説するプリンス・エドワード島ツアーが催行されました♪

今日、7月1日は、カナダ・デー(カナダの建国記念日)です!! 
毎年、この日は島のあちこちで記念のお祭りがあるので、私が企画するプリンス・エドワード島ツアーは、この日をまたぐように企画をしていたのですが、今年はホテルが取れず、前倒しになってしまいました。 

なぜホテルが取れなかったのかというと、今年のカナダ・デーは特別だからなのです。  
特別――カナダ建国150周年にあたる年なんです! 



北アメリカにあったイギリスの各植民地が、一つになって強い国(のちのカナダ)を作りましょう、という会議が重ねられ、ついに1867年、自治領カナダが誕生しました。
現在は独立国家ですが(1931年に独立国家となる)、今でもカナダはイギリス連邦(Commonwealth of Nations)の一員です。

アメリカが独立戦争を起こして独立したのに対し、カナダは隣りに位置しますが、アメリカとは違ってイギリスの傘の下にとどまることを選んだのです。 

町には「カナダ150」の文字やロゴがあふれていました。国ができてまだ150年。カナダは新しい国なんです。 







シャーロットタウンのコンフェデレーションセンターには、それを示す大きな飾りが。

会議に参加した各植民地の代表者は、カナダ建国の父、と呼ばれています。
そしてカナダの初代首相になった人が、ジョージ・マクドナルド。
『赤毛のアン』の作者・モンゴメリの父方の祖父は、プリンス・エドワード島の州議員だったので、モンゴメリは少女の頃、祖父と一緒にマクドナルドと同じ列車に乗る幸運に恵まれたんですよ。


シャーロットタウンの町中にあるこの像が、ジョージ・マクドナルドさん。
この写真は2年前のツアーの時ので、ちょうどカナダ・デーだったので手に誰かがカナダの旗を握らせていましたよ。 

2年前のツアーでは、こんな文字も置いてあったんですよ↓  


今回の「1867(年)」から3年前、「1864(年)」というのは、一つに国になりましょう、という記念すべき第一回目の会議が開かれた年。
その会議は、なんとこのプリンス・エドワード島で開かれたんです!! 

だから。プリンス・エドワード島は”カナダ発祥の地”を観光の売りにしています! 
この数字の後ろに移っている建物「州議事堂」で、建国の父たちが討議を行ったんです!! 州議事堂は現在、修復工事が行われており、今回はフェンスに囲まれて中が見えなくなってしました↓  



フェンスの間から写真を撮りました(^_^;) 
工事が完了するのは2020年の予定。東京オリンピックの年ですね~。 

こんなふうに、大々的に建国記念日をお祝いしていますが、実はプリンス・エドワード島は、1867年の自治領カナダには入っていませんでした。
参加を自ら拒否したんです。

プリンス・エドワード島がカナダの仲間入りをするのは、1869年。 

ですから、プリンス・エドワード島が、カナダ建国150周年を祝っているのは、正確にいうとおかしい!!んです(^_^;)  
が、そこはおおざっぱな(?)、いや、おおらかなプリンス・エドワード島。 
こういうところ、嫌いじゃありません~~~(笑) 

そういえば、私はカナダ建国125周年の時も、島にいたんでした。
節目の年にここにいられたというのはうれしいことなのですが、経過した年月を感じずにはいられません…。

 (ツアー日記はその2へ続く)




2017年6月1日木曜日

お茶の輸出用ラベル「蘭字」♪

静岡県菊川市で2017年6月21日(水)まで行われている「菊川おんぱく~音と緑の博覧会~」での、講演会に参加してきました♪

  「海を渡った菊川茶」と題した講演会で、以前から行きたいと思っていた赤レンガ倉庫の中での講演会だったので、とてもわくわくしましたよ。 




このレンガ倉庫は、菊川市内で初の国の登録文化財として登録されたもの。
もともとは、明治33年に建てられた、富士製茶の工場です。

製茶と日本茶の輸出に大きく貢献した原崎源作さんが建てられました。
原崎さんは、日本茶を輸出するには外国人商人を介していてはだめだと、自らアメリカへ行き、サンフランシスコ支店をつくります。  

外国商館によるお茶の再製工場で働いていた女工たちの過酷な労働を見て、再製機械の開発を手掛け、特許を取得しました。
そんな原崎さんの偉業も交えてのお話はとても興味深いものでした。  

原崎さんのひ孫にあたる方が、原崎さんがずっとつけていた日記も現在、解読(大変な達筆だったそうで…)されているとのお話も。
それが読めるようになったら、郷土史や、茶業史がもっと解明されることでしょう!  

さて、蘭字というのは、輸出茶ラベルのことをさします。
今回は、富士製茶ゆかりの蘭字が200枚ほど、あらたに発見され、それがこの倉庫内に展示されていることと、その蘭字の資料についての詳しい説明でした。  

蘭字のお話は、浜松の平野美術館や、清水のフェルケール博物館などで、今までも何回も聞いていますが、その時によってテーマが変わり、何度聞いてもおもしろく、まだまだ解明されていないことがたくさんあり、研究されている井出先生や吉野亜湖さんの今後の成果を蔭ながら応援している私です。

吉野亜湖さんがこの時の講演会のことを書かれていますのでそちらも読んでみてください。

公益社団法人日本茶業中央会のHPにも蘭字について書かれていますので見てみてくださいね。