2025年10月16日木曜日

名古屋名建築さんぽ:「揚輝荘」

夏に、岡崎市の岡崎信用金庫資料館を訪ね、建築家の鈴木禎次氏を知ったことを書きました。  

先週お訪ねした名古屋のReading Mugさんからそう遠くない場所に、鈴木禎次氏が手掛けた家があることを知り、午前中に訪ねてみました。

「覚王山」駅から坂道をのぼっていった(丘陵地みたいです)ところに目的の「揚輝荘」があります。

松坂屋の初代社長・伊藤次郎左衛門祐民(いとうじろざえもんすけたみ)の別荘で、池泉回遊式庭園をはじめ30以上のさまざまな建物が建てられました。
そのうち現存するのはわずか5棟ですが、当時の面影を見ることができます。
それらの建物と庭園をあわせ、全体を「揚輝荘」と呼んでいるようです。




こちら、赤いベンガラが印象的な「聴松閣(ちょうしょうかく)」
1937年、竹中工務店小林三造の設計により完成。
自然木を利用したハーフティンバー様式、山荘風の外観で気さくな印象を受けますが、要人や文化人を接待するための迎賓館として建てられたということで、内部は超絶意匠オンパレード!!です。

外観を撮ろうとするとすぐさま蚊がやってきた!
ふりはらってもふりはらっても襲ってくる・・・どこに行っても蚊に襲われる私(-_-;)

この建物のみ入場料300円。それだけの価値はあります。




1階奥の旧食堂。お客様が晩餐会をしたところ。
現在は休憩室(カフェ営業あり)になっています。

山荘風なので地味かと思いきや、木材には手斧(ちょうな)での名栗技法で彫が入れてあります。木材そのまま、っていう場所が見つからない・・・なにかしらデザインがほどこされている。




暖炉の周りにはめ込んである瓦。有名な寺院などの瓦みたいです。
暖炉の両側の柱(?)は竹みたい。




「いとう」の文字。いとう呉服店の店舗に掲げていた商標デザインを模した透かし彫りとのこと。

創業は1611年で、創業者は織田信長の家臣・伊藤蘭丸で信長の小姓役、三蘭丸のひとりだったんですってね!

「松坂屋」という社名は、伊藤屋(呉服店)が1768年江戸に進出したときに買収した上野の呉服屋の店名で、名前をそのまま使ったんだそう。


伊藤屋は1910年に株式会社化し、百貨店に転業。
その後、呉服店という名称が時代にそぐわないものとなったため、1925年に名古屋、上野、銀座、大阪の全店の商号を松坂屋に統一したのだそうです。

百貨店としての松坂屋の誕生は名古屋で、全国の百貨店の名前が統一されたのは1925年と20世紀になってからなんですね。




床にほどこされた名栗技法にも意味があり・・・伊藤の「藤」から、フジの花が並んで咲き乱れているさまを彫ってあるんだそうです。(ボランティアガイドさんが教えてくれた)




階段の手摺りにも全部、名栗技法がほどこされています。
二階へ。
寝室や応接室、書斎などに使われていた各部屋はすべて意匠が変えられています。暖炉一つとってもデザインが全部違います。すごい・・・



↑ この部屋は旧応接室。イギリス山荘風だそうですが、そんな感じはあまりしない(^-^;
私のお気に入りは丸窓のアルコーブ。パンフレットには、一等船室のイメージではないかと書いてありました(施主の伊藤がインド旅行やヨーロッパ旅行をしていたことから)。

和室もありましたよ。とにかく次はどんな感じ?と、見学するのにも飽きません。




今度は地下へ行ってみます。
ここは一転してインド・・・
伊藤は熱心な仏教徒で、インドなどへ仏教巡礼旅行をしているとのことで、その時に受けた感銘をこのアジャンタ石窟の写しの壁に表現したといわれます。

写真の左側に見えるのが地下トンネルへの入口。これもアジャンタ石窟寺院を模したともいわれていますが、トンネルの目的は不明だそうです。



招かれたお客様は食事後、地下のこの旧舞踏室に移動し、お酒やダンスを楽しんだそうです。
窓のすりガラスは、雪が積もったヒマラヤ連峰をあらわしているとか!
暖炉のレリーフはカンボジアのアンコールトムに見られる踊り子だそう。




連絡通路を通って、北園へ行ってみます。
こちらは京都の修学院離宮の影響を受けたといわれる池泉回遊式庭園があり、その周りに茶室や橋などがつくられています。

ここも蚊にさされる危険大、頭からフードをかぶって備えます(^▽^;)




この庭園のシンボル廊橋「白雲橋」




渡れませんがここも意匠がすごい。



煎茶の茶室「三賞亭」
中には入れませんので見るだけ。




はい、こちらが私が見たかった、鈴木禎次設計の「伴華楼」
英語のバンガローをもじっているとか。

鈴木禎次が手を加えた、というほうがいいのかな?
尾張徳川家から移築された茶室付きの和室に、洋室を増築。1929年に完成した和洋折衷の建物だとのことで、なんだか不思議な感じですよね。

残っている建物は茶会やコンサートなどいろいろなイベントに使われているようです。近くにいる人はいいなあ~。




駅へ戻る途中、気になっていた「ロンドンカップケーキス」というお店に寄ってみました。
イートインができるとのことで、アップルパイ味のカップケーキをチョイス。

奥様はロンドン出身のイギリス人。ちょっとお話ができました♪



イートインができる2階。かわいい(*'ω'*)
甘すぎず、食べやすくておいしくいただきました。
 

さて、今後の私のお茶会です♪

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★★11月20日(木)ヴォーリズのお茶会@静岡市

ウィリアム・メレル・ヴォーリズの来日120周年にあたる今年。彼が手がけた建物を中心にその魅力をお伝えします。会場の旧宣教師館ミス・カニンハムは、ヴォーリズの建築です。通常は非公開。

午前の部 10:30~12:00 空きあり
午後の部 13:30~15:00 残席2席

参加費:3,000円
会場:静岡英和女学院旧宣教師館ミス・カニンハム(静岡市葵区西草深町34-13)駐車場はありません。静岡駅からバスをご利用いただくか、周辺のコインパーキングをどうぞ。


★★11月26日(水) ヴォーリズのお茶会@浜松市
ウィリアム・メレル・ヴォーリズの来日120周年にあたる今年。彼が手がけた建物を中心にその魅力をお伝えします。
13:30~を予定していますが、ご希望が多ければ午前も開催します。

参加費:2,800円
会場:浜松市入野の個人宅 駐車場有

お申込み、本のお申込等のお問合せは奥田あてに!

こちらからどうぞ(goole form) 。返信はパソコンのフリーアドレスになります。受信拒否設定されていると返信メールが届かないので、数日たっても返信がない場合はお手数ですが設定を変更されるなど、お客様のほうで対処お願いします。
こちらからメールをしないということはございません。
携帯メールを使って送られてこられた方への私の返信がブロックされる例が多発しています。こちらでは対処のしようがありませんので、ご自身の設定を確認お願いします。
メールアドレスの入力ミス(打ち間違い)も過去ございました。再度フォームから入力をしてみていただくのも一案です。


これまで出版していただいた本がどんどん絶版になっています。原料高で増刷もないとのことです。新品でまだ購入できる本をまとめてあります。サインもいたしますのでご希望の方は ↑ からご連絡くださいね。


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2025年10月12日日曜日

英国の街を楽しむお茶会@名古屋

名古屋の「Reading Mug」さんで開催された、山田佳世子さんのお茶会に参加させていただきました(^^)/

Reading Mugさんは”多様性を伝えるセレクト本屋”さんで、今年で4周年。
オープンされた時からSNSでみなさんがご紹介していて、一度行ってみたいと思いながらなかなか行けず、やっと叶いました。

Reading Mugさんがお店を開くいきさつについてはこちらのソトコトさんの記事に詳しいので読んでみてくださいね。



地下鉄「星ヶ丘」駅から、てきてく、歩いて20分くらい。
商店街にある、イギリスの片田舎にあるカフェや本屋さんのようなたたずまいでした♪





店主のキムラナオミさんがイギリス大好きで、イギリスで買い絵本やアートブック、クックブックなどの洋書古本を買い付けてこられることは知っていたので、お茶会の時間よりも早くお伺いさせていただき、本棚をチェック、チェック(*'ω'*)

山田さんには私のタータンセミナーにご参加いただいたことからの、イギリスつながりのご縁です。

建築士・住宅設計プランナーであられる山田さんが『日本でもできる! 英国の間取り 』(エクスナレッジ)を出された際には、木谷朋子さん主催の旅カルチャー講座での間取りのセミナーも受講させていただきました。
手描きのあたたかみのあるイラストが好きです。


今回は名古屋で原画展&お茶会をされるとのことで、名古屋なら!!しかも平日!日帰りで行ける!とすぐに申し込みました。

お茶会が終わってからではみなさん山田さんとお話をされたいだろうから、早く行けば私にも時間を取っていただけるかな~と思い、1時間以上早くうかがって、原画もしっかり見せていただきましたし、山田さんともお話できました(#^.^#)




原画は、今年刊行された『一度は訪れたい英国の小さな街』(大和書房)の原画です。

すでに購入していたので、持参し、本にサインもしてもらいました(*´ω`*) 
オリジナルで作られたというクリアファイルも購入。

どんなお茶会になるのかな~と思っていたら、『一度は訪れたい英国の小さな街』で紹介された街のお写真をたくさん見せてくださいながら、各街の魅力を語ってくださいました。
本ではイラストなので、実際に写真を見るとなるほど、こういうことだったのか、と納得いった点もたくさん。

本は購入して読んでいるのに、20もの街が紹介されているので自分の中で整理できていなかった(^-^; 復習がてら、お話が聞けてよかったです!
お茶会というより、推しの街を2時間びっちり語っていただくセミナーでした!

私、5月にロンドンに行った時、一日フリーデーがあったので、山田さんのこの本も参考にさせていただき、どこに行こうか悩みました。
時間的な制約もあったので、自分で動くことはやめて、コッツウォルズの日帰りツアーに参加することにしたのですが、この本でもコッツウォルズはもちろん紹介されていましたね。コッツウォルズは外せません!

コッツウォルズと一口にくくられていますが、建材の石の違いによって街並みもだいぶ印象が変わるということで、確かにそうだな~と、5月に行ったコッツウォルズを思い出しました。



お茶とお菓子を出していただきました。
神戸の人気英国菓子店アンダーグラウンド・ベーカリーさんのファット・ラスカルと、ショートブレッド。完食しました(^^♪




イギリスで使われている地元の石材。写真を見るだけでも違うことがわかります!

2時間はあっという間でした。
ローカル線を乗り継いで名古屋に行ったので(^▽^;) 長居できず、終了後はすぐに失礼させていただいたのですが、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。
Reading Mugさん、山田さん、ありがとうございました。

山田さんの原画展は10月25日(土)までReading Mugさんで開催中ですので、ご興味のある方は行ってみてくださいね。

さて、今後の私のお茶会です♪

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★★11月20日(木)ヴォーリズのお茶会@静岡市

ウィリアム・メレル・ヴォーリズの来日120周年にあたる今年。彼が手がけた建物を中心にその魅力をお伝えします。会場の旧宣教師館ミス・カニンハムは、ヴォーリズの建築です。通常は非公開。

午前の部 10:30~12:00 空きあり
午後の部 13:30~15:00 残席2席

参加費:3,000円
会場:静岡英和女学院旧宣教師館ミス・カニンハム(静岡市葵区西草深町34-13)駐車場はありません。静岡駅からバスをご利用いただくか、周辺のコインパーキングをどうぞ。


★★11月26日(水) ヴォーリズのお茶会@浜松市
ウィリアム・メレル・ヴォーリズの来日120周年にあたる今年。彼が手がけた建物を中心にその魅力をお伝えします。
13:30~を予定していますが、ご希望が多ければ午前も開催します。

参加費:2,800円
会場:浜松市入野の個人宅 駐車場有

お申込み、本のお申込等のお問合せは奥田あてに!

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2025年10月11日土曜日

12/2 赤毛のアンのクリスマスお茶会@仙台市

 ***「赤毛のアンのクリスマス」お茶会のお知らせ***


Geminiで作成

昨年に引き続き、故郷である仙台でお話会をさせていただきます。
「赤毛のアンの読書クラブ」さんとのコラボイベントです。

『赤毛のアン』の時代、19世紀末のクリスマスはどんな過ごし方をしてどんな飾りつけをしていたのでしょうか。
アン・シリーズのクリスマスの場面を交えながら、奥田実紀がお話いたします。

アンがお好きな方は物語がさらに深まり、アンにそれほど詳しくなくてもカナダのクリスマスについて知ることができる楽しい機会ですよ。


2025年12月2日(火)

午前の部 10:30〜12:30
午後の部 13:30〜15:30


場所:アンティーク雑貨カフェTiTi(仙台市宮城野区鉄砲町中5-8)仙台駅東口から徒歩約10分

参加費 ¥4,500 (TiTiさん特製のスイーツとドリンク付き)

それぞれ定員があります。私まで、お早めにお申し込みください。TiTiさんは場所をお借りしているだけですので、お申込み、お問い合わせは私までお願いします。




お申込み、本のお申込等のお問合せは奥田あてに!

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2025年10月7日火曜日

ウィリアム・メレル・ヴォーリズのお茶会


「ウィリアム・メレル・ヴォーリズ」の名前は知らなくとも、メンソレータムという軟膏、あるいはそれを販売した近江兄弟社の名前は知っている人が多いかもしれません。

近江八幡市に、学校や病院も作り、地域に貢献しました。

あるいは全国各地に今も現存するヴォーリズが設計した洋風建築の数々。

たとえば、大丸大阪心斎橋店、関西学院大学、神戸女学院、同志社大学、山の上ホテル、東華菜館・・・・教会もそれはたくさん手がけました。
そして現存しているものが多いです。

アメリカで生まれ、1905年に来日。
今年はヴォーリズが日本に来てから120年に当たります。

華族の令嬢と結婚し、のちに帰化。戦争を乗り越え、日本の地で最期を迎えました。

今回はヴォーリズの洋風建築を中心に、その魅力をお話しします。

静岡市での開催は、ヴォーリズが建築した旧宣教師館(通常は非公開)が会場です。

ご興味のある方はぜひお申込みくださいね。

浜松でも開催いたします。


★★11月20日(木)ヴォーリズのお茶会@静岡市

ウィリアム・メレル・ヴォーリズの来日120周年にあたる今年。彼が手がけた建物を中心にその魅力をお伝えします。会場の旧宣教師館ミス・カニンハムは、ヴォーリズの建築です。通常は非公開。

午前の部 10:30~12:00 空きあり
午後の部 13:30~15:00 残席2席

参加費:3,000円
会場:静岡英和女学院旧宣教師館ミス・カニンハム(静岡市葵区西草深町34-13)駐車場はありません。


★★11月26日(水) ヴォーリズのお茶会@浜松市

ウィリアム・メレル・ヴォーリズの来日120周年にあたる今年。彼が手がけた建物を中心にその魅力をお伝えします。
13:30~を予定していますが、ご希望が多ければ午前も開催します。

参加費:2,800円
会場:浜松市入野の個人宅 駐車場有

お申込みは奥田あて!

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これまで出版していただいた本がどんどん絶版になっています。原料高で増刷もないとのことです。新品でまだ購入できる本をまとめてあります。サインもいたしますのでご希望の方は ↑ からご連絡くださいね。


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2025年10月6日月曜日

荻窪三庭園めぐり②荻外荘

間が空いちゃいましたが、前回の続きです。
荻窪さんぽ、次に訪れたのが「荻外荘(てきがいそう)」

こちらは去年12月に一般公開され、大きな話題になりました。お友達がSNSにあげているのを見て、行きたいリストに入れていました。



荻窪駅から来るとこっちが正面ですが、私たちは角川庭園から下っていく感じで歩き――



この南側の芝生広場のほうから入りました。建物が高台に見えて、格の高さを物語っている感じ。

ここだけ入場料がとられ、300円。安いです。

内閣総理大臣を3度務めた政治家・近衛文麿が、1937年の第一次内閣期から1945年12月の自決に至るまでの期間を過ごした邸宅を復元したもの。


建物自体は、入澤達吉(いりさわ・たつきち/東京帝国大学医学部教授・大正天皇の侍医頭を務めた)の別邸として1927年に建設。

「平安神宮」や「築地本願寺」などで知られる建築家・伊東忠太の設計。伊東は入澤の義弟だったそうですね。伊東による邸宅は4軒しか現存していないとのことで貴重だそうです。

その後、1937年に近衞が譲り受け、移り住みました。

昭和前期の政治の転換点となる重要な会議を数多く行った場所ということで、国の史跡に指定されました。




この前で近衛が立っている写真が飾ってありました。







この廊下と縁側が一体になったような部分が素敵ですね。芝生広場が見えます。




近衛家の家紋「近衛牡丹」





ハート(猪の目)見っけ。

2012年に近衛の次男が逝去し、地域住民から荻外荘を保護する声が上がります。
2014年から本格的に「荻外荘復原・整備プロジェクト」が始まったそう。

荻外荘の東側の一部は1960年に豊島区へ移築されていましたが、それを取り戻し、解体、補完等、7年かけてもとの姿に復原したとのこと。
保存するからには元の姿で・・・という熱い思いが伝わってきますね。




豊島区から移築された東側部分の玄関。




玄関を入ってすぐにある応接間。
中国風の意匠を凝らした空間なのは、伊東の設計様式や入澤の中国趣味が反映されているのこと。




 伊東がデザインしたという竜の文様の敷瓦が床に使われています。
当時の部材が多く残されていたため、オリジナルの敷瓦とレプリカが混じっているんだそうですよ。

木材も、当時のものを使える範囲で新しいものと組み合わせているとのこと。




荻外荘と命名した西園寺公望の筆跡による「荻外荘」の扁額。

館内にはボランティアの方でしょうか、説明をしてくださる方がいらっしゃったので、丁寧に復元の話、近衛文麿の話などを聞くことができました。




この客間は、「独伊三国軍事同盟」の締結などの契機となった「荻窪会談」や「荻外荘会談」など、重要な会談が行われた場所。
1940年7月19日、日中戦争が長期化する中で戦争路線の方針を決める「荻窪会談」がここで行われました。

当時の会談風景を再現したVR映像を見せていただきました。東條英機らが議論を交わしている姿(会談の様子が映されたモノクロ写真や新聞などの文字情報から再現したとのこと)が観れて、過去の人々なのに動いていて、なんだか不思議な気持ちになります。

歴史にうとい私には説明していただいたことでとても勉強になりました。




食堂。この邸宅を建てた入澤達吉が、主に来客用の食堂として使用していたそうです。



食器棚は再現で、食器はすべて当時のものだとか。


食堂の横に、書斎があります。第二次世界大戦終戦後、戦犯容疑をかけられた近衞は、1945年12月16日早朝、この書斎で青酸カリを用いて自決。
ほぼ手を加えておらず、その当時の姿のままだということですが、怖くて直視できません・・・



和室の一部がカフェになっていたので一休みしました。



私が訪ねたすぐあとに、建築家の隈研吾氏が設計したカフェが新たに建てられオープンしたので、この和室のカフェはなくなったみたいです。それはそれで貴重だったかな。

今後のお茶会のお知らせです♪

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★★10月29日(水) ロンドンのお茶会@浜松市
ロンドンツアーのお写真をお見せしながらイギリスの魅力をお伝えします。
午前の部、午後の部ともキャンセル待ち受付中です。
参加費:2,800円
会場:浜松市入野の個人宅 駐車場有


★★11月20日(木)ヴォーリズのお茶会@静岡市
ウィリアム・メレル・ヴォーリズの来日120周年にあたる今年。彼が手がけた建物を中心にその魅力をお伝えします。会場の旧宣教師館ミス・カニンハムは、ヴォーリズの建築です。通常は非公開。

午前の部 10:30~12:00 空きあり
午後の部 13:30~15:00 残席2席

参加費:3,000円
会場:静岡英和女学院旧宣教師館ミス・カニンハム(静岡市葵区西草深町34-13)駐車場はありません。


★★11月26日(水) ヴォーリズのお茶会@浜松市
ウィリアム・メレル・ヴォーリズの来日120周年にあたる今年。彼が手がけた建物を中心にその魅力をお伝えします。
13:30~を予定していますが、ご希望が多ければ午前も開催します。

参加費:2,800円
会場:浜松市入野の個人宅 駐車場有

お申込み、本のお申込等のお問合せは奥田あてに!

こちらからどうぞ(goole form) 。返信はパソコンのフリーアドレスになります。受信拒否設定されていると返信メールが届かないので、数日たっても返信がない場合はお手数ですが設定を変更されるなど、お客様のほうで対処お願いします。
こちらからメールをしないということはございません。
携帯メールを使って送られてこられた方への私の返信がブロックされる例が多発しています。こちらでは対処のしようがありませんので、ご自身の設定を確認お願いします。
メールアドレスの入力ミス(打ち間違い)も過去ございました。再度フォームから入力をしてみていただくのも一案です。


これまで出版していただいた本がどんどん絶版になっています。原料高で増刷もないとのことです。新品でまだ購入できる本をまとめてあります。サインもいたしますのでご希望の方は ↑ からご連絡くださいね。


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2025年10月3日金曜日

地紅茶製造実習に参加しました♪

 先週、地紅茶学会主催の「紅茶製造実習」が静岡県菊川市であり、参加させていただきました。


地紅茶学会は、地紅茶(日本自生の茶の木から作られる紅茶)を研究し、さまざまな形でさかんにしていこうという集まりです。

お茶農家さんや茶研究家だけでなく、私のようなただ紅茶が好きな民間人もたくさん会員になっています。


毎年場所を変えて開催されている「全国地紅茶サミット」の世話人の方が発起人で、2年前に設立されたばかりの会です。
日本の紅茶(地紅茶、和紅茶)好きの方、会員になりませんか?


全国地紅茶サミットは、私も2012年の岡山県高梁市の時からほぼ毎年、来場させていただいてます。
サミットを目的に、行ったことのない場所を旅行するのはとっても楽しい!


今年は12月6・7日、長崎県対馬市で開催とのこと。
対馬までは行けそうにないけど、来年2月に静岡県島田市で行われる次の地紅茶サミットには行く予定です。

さて、地紅茶学会の紅茶製造実習の話です。

紅茶の品質を高めるために毎年行われているそうで、昨年までは丸子紅茶の村松二六さんの茶工場で行われていました。
しかし、二六さんが昨年お亡くなりになり(いまだに信じられない私なのですが・・・)今年は県の試験場を借りての実習となりました。


会場の静岡県農林技術研究所茶業研究センターは、100年以上の歴史のある茶の研究施設です。

今年の3月にあらたに生まれ変わり、ChaOI-PARC(チャオイパーク)という名称で呼ばれるようになりました。
なんの略称かというと、Cha Open Innovation Practical and Applied Research left、だそうです!


建て替えられる前の研究センターには、私、和紅茶の取材でおうかがいさせていただいたことがあります。
建て替えられた施設の、立派できれいなこと!!




昨年私が企画から販売までさせていただいた赤毛のアン・ティーをケースの中に飾ってくださっていました(*^-^*)

なぜかというとChaOI PARCが関係するChaOIフォーラムの会員になっているからなんです。
地紅茶学学会同様、お茶好きの一般の方でも会員になれるので詳しくはこちらをご覧ください。会員登録は無料です。

取材がなければ、私のような一般市民がお世話になることはまずありませんが、ChaOI PARCは夏休みなどに茶摘みや手もみ、お茶の試飲などができるオープンイベントを開催しているようなので、ご興味のある方はチェックしてみてください。


静岡県はこれまで緑茶一辺倒でしたが、時代の流れに順応すべく「発酵茶ラボ」という、発酵茶(ウーロン茶、紅茶)製造技術の普及そして新商品開発のための施設整備と貸し出しを始めました。

発酵茶ラボにはずっと行ってみたいと思っていましたが、私は紅茶の製造者でもなし(^-^; 機会がありませんでしたので今回とても楽しみにしていました。

発酵茶ラボはもうできてから10年以上たつんですね!
月日の早いこと!
で、愛称も「ChaOIファクトリー」となり、発酵茶を含めた新商品開発研究施設となりました。





緑茶の製造機械を紅茶に代用するのは、よい紅茶にはできれば避けたほうがよいとされているので、わざわざこの八紅茶専用施設を借りて紅茶を作る農家さんもおられますし、大学や今回の地紅茶学会のように紅茶試作のために施設を借りる団体も多いようです。


専属のスタッフの方が立ち合ってくださるので、機械の操作方法なども慌てることなくできるとのこと。

今回は、カネトウ三浦園の三浦さん(和紅茶界でも知られている)が加わってくださったのと、お茶の権威・武田先生も同席、お話をしてくださったので、とても贅沢な時間となりました。


茶葉は、菊川の井村園(こちらも和紅茶界で有名な)の井村パパさんが摘んできてくださった「べにふうき」。

時期的にもう茶葉は硬くなってしまってなかなかに苦労されていました。


茶農家さん、和紅茶ファンの方など20名近くが参加されていて、実際に茶葉にふれたり、機械に茶葉を投入したり回収したりといった作業も私たちにも手伝わせてくださったので、見ているだけではわからない機械の作りや、製造の流れなども知ることができました。


朝8時半から夕方4時まで。どうしても紅茶づくりは時間がかかってしまいますが、紅茶好きの方が集まっているので、当日は30度を超す暑さにもかかわらず交流も含め、楽しく過ごすことができました。




できあがった紅茶は、参加者さんが製造し持参した紅茶と並べてテイスティング。
そして、お土産としていただくこともできました。

2週間くらい置いておいたほうがいいのですが、我慢しきれず開けて自宅で飲んでしまいました(^-^;







自宅でのティータイムのお供は”天空の抹茶”を使ったマフィン。杏林堂薬局さんのオリジナル。

”天空の抹茶”というのは静岡県の小柳津清一商店さんが扱っている、県内の寒暖差が大きい山間地域で栽培された、一番茶で作った抹茶で、商標登録がされているようですね。

菓子メーカーがこの抹茶を使った限定商品なども出しているので見たこと、食べたことのある方もいらっしゃるのでは?

世界的ブームになっている抹茶、海外ではそのまま飲むというより、ラテなどに加工されることがほとんどなので、もっと本当の抹茶を知ってからにしてほしいと思うのですが。

あるいは加工するなら煎茶(濃茶)でもいいわけで、この機会に煎茶をばんばん営業するのも手なのではと思ったりもします。実際、煎茶も売れているようです。

私自身はお茶も抹茶もそのまま飲むのが好きだし、だいたい、抹茶を使ったお菓子のほとんどが抹茶の味がしなくて、かえってプレーンのほうがおいしかったりしますし、緑色を出すためにクロレラ入れてたりするので(^-^; 積極的には抹茶菓子は買いません。
今回はセールになっていたので買ってみました。やはり抹茶の味がしない、もったいなさを感じるお菓子でした。



お菓子といえば、先日、探していたお菓子をやっと見つけたので買ってみました。

COOPの五三焼きカステラ。

これ、テレビの「サタデープラス」のひたすら試してランキングというコーナーがあるのですが、カステラひらすら試してランキングの総合一位になったものです。

カステラを買って食べるほど好きなわけではないのに(^-^; 審査員の方があまりに絶賛していたのでメモしていました。COOPはよく行くので、そんなに絶賛するなら買ってみようかな、って思って。

でもどこのCOOPにもなくて、本当に売ってるの?って思ってました。

すっかり忘れた先日、レジ横に置いてあるのを見つけて、あ、これだ!とひと箱購入。

食べてみると、確かにおいしい。これは納得ができました。


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今後のお茶会のお知らせです♪

★★10月29日(水) ロンドンのお茶会@浜松市
ロンドンツアーのお写真をお見せしながらイギリスの魅力をお伝えします。
午前の部、午後の部ともキャンセル待ち受付中です。
参加費:2,800円
会場:浜松市入野の個人宅 駐車場有


★★11月20日(木)ヴォーリズのお茶会@静岡市
ウィリアム・メレル・ヴォーリズの来日120周年にあたる今年。彼が手がけた建物を中心にその魅力をお伝えします。会場の旧宣教師館ミス・カニンハムは、ヴォーリズの建築です。通常は非公開。

午前の部 10:30~12:00 空きあり
午後の部 13:30~15:00 残席2席

参加費:3,000円
会場:静岡英和女学院旧宣教師館ミス・カニンハム(静岡市葵区西草深町34-13)駐車場はありません。


★★11月26日(水) ヴォーリズのお茶会@浜松市
ウィリアム・メレル・ヴォーリズの来日120周年にあたる今年。彼が手がけた建物を中心にその魅力をお伝えします。
13:30~を予定していますが、ご希望が多ければ午前も開催します。

参加費:2,800円
会場:浜松市入野の個人宅 駐車場有

お申込み、本のお申込等のお問合せは奥田あてに!

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これまで出版していただいた本がどんどん絶版になっています。原料高で増刷もないとのことです。新品でまだ購入できる本をまとめてあります。サインもいたしますのでご希望の方は ↑ からご連絡くださいね。


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