いよいよ、今日、明日の二日間、赤毛のアンファンの聖地ともいうべき、キャヴェンディッシュ村方面を観光します。
キャヴェンディッシュは、作者モンゴメリが育った場所で、赤毛のアンのアヴォンリー村のモデルとされています。
アンや、モンゴメリ関連の観光施設が集中しているところです。
今日は、夜10時頃まで観光が続くので、出発は11時と遅めです。
それまで、みなさん、シャーロットタウンでのお買い物や散策などを楽しまれたようです。私も、コンフェデレーション・コートモールからピークス・ワーフまで、ゆっくりと懐かしみながら歩いてまわりました。
ホテルへ戻る途中、新しくできていたアンティークショップを見つけ、ちょっとだけ、と、入ってみましたところ、ああ、発見してしまいました。
探していたPEIタータンのティーカップと、大好きなメイフラワー(赤毛のアンの物語にも出てくる花)が描かれているティーカップを……。
1つ買ったらもう一つは無料!と書いてあるではありませんか。
これはもうお買い上げしないわけにはいきません。
ぷちぷちで頑丈にラッピングしてもらって、喜びいさんでホテルへ戻りました♪
11時、ホテルを出発。
アップダウンがはげしく、風光明媚な224号線を通って、キャヴェンディッシュへ向かいます。
この道路ぞいは絵になる風景が多いので、写真を撮りたくてたまらなくなりますが、後ろからぴったりと車がついてきてしまい、また、大型バスが停まれるほどの路肩もないため、残念無念。バスの窓からの撮影です。
途中、ニューグラスゴー村で、早めのランチ。
「PEIプリザーブ・カンパニー」のティールームで。
プリザーブというのは、赤毛のアンにも出てくる、果物の形が残っている砂糖漬け(いわゆるジャムですね)のこと。
オープン以来人気が上昇し、ツアーバスは必ず立ち寄るスポットになりました。
ジャムは日本人の口には甘めですが、いろいろな種類があり、試食ができるので、気に入ったものを買うことができます。私たちも存分に味見してショッピングも。
この会社の社長さんは、スコットランド系カナダ人なので、スコットランドの国花アザミの旗がかかげられており、バグパイプ奏者の置物があったり、運がよければ社長さんのキルト姿も見ることができます。私にはそこが一番のツボなんですけれど(^^ゞ
私たちのランチはポテトパイ。
じゃがいものスライスが何層にもなっている食事系パイです。
大きいうえに、サラダもついて、なおかつ、このあとラズベリーパイまで出ました。
もう、おなかははちきれそうです。
食後は、いよいよ、赤毛のアンの家「グリーン・ゲイブルズ」へ。
この家は、観光のために新しく建てたものではありません。
作者のモンゴメリの親戚筋にあたる家族が営む農家でした。
アンは実在の人物ではありませんが、この家の人が引き取って育てていた孤児がいました。モンゴメリはその子と仲良しでした。
あまりに観光客が多くなったので、国立公園として管理することになります。
モンゴメリは国立公園になって多くの観光客で自分が愛したいとしい場所が荒らされると心配しましたが、管理することできれいに保たれることも理解し、国立公園にすることを了承したそうです。
はじめの頃はこの家の家族が管理人として住んでいましたが、今はだれも住んでおらず、純粋な観光施設としてきちんと保存管理がされています。
いつ行ってもごみ一つなく、ほこりもなくきれいに整っているのは、やはり国立公園の管理のおかげでしょう。
ずっと憧れていたアンの家に、やっと来れた!!と、みなさんの感動もひとしおです。
天気もまた最高にいい!(暑いくらいでした)
さらにラッキーなことに、アンに扮した女の子が出迎えてくれたんですよ。
みなさん、興奮して一緒に写真タイム~。
こうした、アンの物語の登場人物に扮した人たちが現れ、ワークショップなどの無料のイベントをやってくれるのは、夏休み中だけのサービスです。
会えたらラッキー、ワークショップに当たったら、さらにラッキーです!
私たちは、ドンピシャ、そのワークショップに当たったのでした。
ステイシー先生役の女性が「これから野外授業をするから参加しない?」と誘ってくれたのです。
そのあと、森の中の遊歩道を散策。
ぬかるまないよう、木の散策路がきちんとできていて、植物の説明看板などもしっかりたてられていました。
数年前にビーバーが巣を作って川の流れをせき止めてしまったため、散策路のコースがだいぶ変わったのだとか。
そういうこともあってか、以前のような、野生の森の雰囲気はもうなくなってしまいましたが、毎年増え続ける観光客に対応するには仕方がないのだと思います。
おばけの森のほうも散策したいところですが、こちらは夜でも朝でも、好きな時に散策ができるので、営業時間が決まっている施設を優先見学しましょう、ということで、次に向かったのが、キャヴェンディッシュ郵便局。
ここから手紙を出すと、帽子をかぶったアンの後ろ姿が描かれた消印が押してもらえます。下の写真がそれです。
ここで投函して、我が家に届くまで10日くらいかかりました(^_^;)
以前は「GREEN GABLES」という文字だけの消印でしたが、こんなかわいい絵の消印になっていました。
普通の切手ではなく、記念切手がきれいなので、それを頼んだら、やけに大きな切手で、文字を書くスペースがほとんどなくなってしまいました……。
この建物の一角は、当時の郵便局の様子がわかる資料館のようになっています。当時の郵便局は、独立した建物ではなく、キャヴェンディッシュのように田舎の小さな村では、村人が自分の家で郵便業務を担当していました。
モンゴメリは、2歳になる前に母親を病気で亡くし、母方の祖父母の手で育てられたのですが、その祖父母が、村の郵便業務を担当していたのです。
家の台所の一角が郵便業務のスペース(郵便局)だったそうです。
その様子が資料館に再現されているのでよくわかりますし、日本語の解説ビデオもありましたよ。
木々や草原のそよぎが気持ちよく、当時の写真を見ると、周りの田園風景はモンゴメリが住んでいた当時とほとんど変わっていません。
モンゴメリはこんな風景を見ながら、執筆をしていたのでしょう。
『赤毛のアン』はこの場所で生まれています。今では世界中で翻訳されている名作になっていますが、アンの原稿は何社もの拒否にあったそうですよ。
ここから、小学校(今は残っていない)に通うためにモンゴメリが使っていた小道を歩いていくと、あれ、以前はなかったモンゴメリの記念碑が……。
うーん、ここは何もないからこその「想像の余地」があるのがいいところなのに、こんな記念碑がたったら興ざめしてしまいますよねえ。
そして見えてくるのが、キャヴェンディッシュ墓地。
モンゴメリは結婚を機に、プリンス・エドワード島を離れてオンタリオ州で亡くなるまで暮らすことになりますが、この島を愛する思いは消えず、自分が死んだらこの墓地に埋葬してほしいと願ったのだそうです。
その願い通り、モンゴメリは生まれ育ち、心から愛してやまなかった土地に戻り、眠りについています。
(その6へつづく)
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