2025年8月30日土曜日

アトランティック・カナダ~ノヴァ・スコシア~

 今日のテレビ「旅サラダ」の海外の旅はアトランティック・カナダで、ハリファクスを紹介していました。


先週からアトランティック・カナダが始まったんですが、先週はルーネンバーグでした。
来週もあるのかな?あるとしたらプリンス・エドワード島かな~なんて期待してしまいます。

ルーネンバーグは、PEIに住んでいた時に旅行で訪れました。
ジブリアニメに出てくるような、カラフルな家が並ぶメルヘンチックな町で、私はここで誕生日を迎え、夕食を取ったお店で誕生日ケーキを出していただいた思い出があります。

私が訪れたのは1993年ですから、ルーネンバーグがユネスコの世界文化遺産に登録される前(登録は1995年)。







18世紀のイギリス統治時代に漁業を目的として建造された港町で、当時の国王ジョージ2世がドイツのブラウンシュヴァイク=リューネブルク公国がルーツであったことから「ルーネンバーグ(リューネブルクの英語読み)」と名付けられたんだとか。

400もの木造建築があるとのこと、私が泊まったお宿もそうでした(泊まったB&Bの名前は憶えていません(;^ω^)でも素朴でカントリーなお宿でした)。


『赤毛のアン』のアン・シャーリーは、ノヴァ・スコシア州のボーリングブローク生まれ。

現在、アニメ放送されているのは大学時代のアンのお話(アン・シリーズ3巻目の『アンの愛情』)ですが、大学のある町はハリファクスがモデル。アンが通うレッドモンド大学はハリファクスにあるダルハウジー大学がモデルです。












写真は番組でも紹介されていたシタデル。天気が悪かった・・・(;_:)


アンは同級生のフィリッパと仲良くなりますね。フィリッパがボーリングブローク出身と聞いて、自分が生まれたのもボーリングブロークよ、と言うと、フィリッパが「あなたもブルーノーズというわけね」と言います。

”ブルーノーズ”は、ノヴァ・スコシア人の俗称ですが、その名前のついた帆船がテレビでも紹介されていました。
初代ブルーノーズは、1921年にルーネンバーグの造船技師が建造。魚をより多く積んで早く戻ってきたほうが勝ち、というレースが米国との間で行われていた時期、ブルーノーズは連戦連勝だったそう。

1944年にハイチで難破。でもそ姿は今もカナダの10セント硬貨に刻まれています。

テレビに映っていたブルーノーズ号は、再建された二代目。1963年に、同じ造船所でまったく同じ設計で作られたのです。

私は乗り物酔いする体質なので、乗れませんでしたし、私が訪れたときは出張中だったと記憶しています(;^ω^)
船酔いするくせに帆船は大好き。見ているだけでいいんです。乗れないからこそ憧れるのかもしれません(;^ω^)

ハリファクスというと景勝地としてペギーズ・コーヴが出てくるのがお決まりですが(ペギーズ・コーヴについてはこちらの日記に書いています)番組ではグラン・プレが紹介されていました。

グラン・プレは昔、フランス系カナダ人(アカディアン)が住んでいた場所で、イギリスとフランスが領土戦争をかわした際、イギリス軍として戦ったにもかかわらず、イギリスは勝利後、この地に住むアカディアンを追放したのです。
そのことについてはテレビでは紹介されず、かなりの時間をワイナリーに充てられていました。まあ、仕方がないことですけどね。


グラン・プレは間接的ですがやはり『アンの愛情』に登場します。
フィリッパが牧師と結婚し、新婚旅行はエヴァンジェリンの土地をめぐる、というセリフがあります。エヴァンジェリンというのは、ロングフェローの長編詩の主人公の名前。舞台はグラン・プレなので、グラン・プレに行くことがここからわかります。この地のアカディアンが上記戦争後に追いやられた混乱の中、新婚夫婦が生き別れてしまい、エヴァンジェリンが夫を探し回るという悲しいストーリーです。

言葉のはしにちょっと出てくる言葉からもノヴァ・スコシアの歴史がうかがえるので、アン・シリーズはなかなかに奥深いお話なんですよね。

ところで番組では干満の差によって潮が川を逆流し、上流から流れ込む淡水とぶつかることで発生する波(「タイダル・ボア(Tidal Bore)」)を体験するツアーが紹介されていました。
ファンディ湾に注ぐプティコディアック川の干満差を体験していましたが、もう少し足を延ばすと、ファンディ湾の奇岩群”ホープウェル・ロックス”が見れます。
ホープウェル・ロックスはもうノヴァ・スコシアではなく、お隣のニューブランズウィック州になるのですが・・・

世界一の干満差(最大で15m)を誇るファンディ湾。
潮の満ち引きによって浸食された岩が圧巻。大きいもので20mにも及ぶ岩を、干潮の時に実際に歩いてみられるというもの。

私の旅行中、天気があまりよくなかったのですが、このホープウェル・ロックスはピーカンでした。












ノヴァ・スコシアというのは”新しいスコットランド”という意味。
スコットランドからの移民が多く、私のステイ先の娘さんたちはハイランド・ダンスを習っていてその大会がノヴァ・スコシアで行われた際、私も一緒に旅行させていただきました。

特にスコットランド系が多い東部のケープ・ブレトン島は、スコットランドに地形的にもそっくり。

しかも、カナダの公式タータンは、このノヴァ・スコシアが最初に作ったんですよ。
詳しくは拙書『タータンチェックの文化史』(白水社)に書いてありますが、『すてきなタータンチェック』(福音館書店)にもちょこっと書いてあります。ぜひ読んでね。




そうしたこともあって、ノヴァ・スコシア州はカナダの中でも特に好きな州です。
もう一度ゆっくりと(車で駆け抜けただけなので・・・)旅行してみたいものです。
円安と物価高でかないそうにないけれど・・・(;_:)


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浜松、掛川、静岡でさせていただいているお茶会は10月から再開します。
10月以降のイベントの予定です。

★★奥田実紀が同行する静岡お茶ツアー(一泊二日、日帰り参加可)
2025年10月24日(金)~25日(土)
現地集合、現地解散 詳細はこちらをご覧ください


★★10月29日(水) ロンドンのお茶会@浜松市
ロンドンツアーのお写真をお見せしながらイギリスの魅力をお伝えします。
午前の部、午後の部とも満席で、キャンセル待ち受付中です。
参加費:2,800円
会場:浜松市入野の個人宅 駐車場有


★★11月20日(木)ヴォーリズのお茶会@静岡市
ウィリアム・メレル・ヴォーリズの来日120周年にあたる今年。彼が手がけた建物を中心にその魅力をお伝えします。会場の旧宣教師館ミス・カニンハムは、ヴォーリズの建築です。通常は非公開。
13:30~を予定していますが、ご希望が多ければ午前も開催します。

参加費:3,000円
会場:英和女学院旧宣教師館ミス・カニンハム(静岡市葵区西草深町34-13)駐車場はありません。


★★11月26日(水) ヴォーリズのお茶会@浜松市
ウィリアム・メレル・ヴォーリズの来日120周年にあたる今年。彼が手がけた建物を中心にその魅力をお伝えします。
13:30~を予定していますが、ご希望が多ければ午前も開催します。

参加費:2,800円
会場:浜松市入野の個人宅 駐車場有

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