熊本~宮崎旅行日記。
15世紀前半に中国から九州に伝わったとされる「釜炒り茶」を作り続けていらっしゃいます。
こちらのサイトに詳しくご紹介されているのでご覧くださいね。
興梠さんは釜炒り茶を作って30年、名人として知られています。
釜炒り茶というのは、摘んだお茶の葉を釜で炒って作るお茶。
現在の緑茶は茶葉を蒸して作るのがほとんど。釜炒り茶は日本全体のお茶の数パーセントとか。
その数パーセントの“幻”とも言ってよい釜炒り茶が生産されている地域が、九州の佐賀、熊本、宮崎です。
炒ることで茶葉本来の風味が引き出され、「釜香(かまこう)」と呼ばれるすっきりとした芳ばしい香りのお茶が出来あがるんですが、私は和紅茶を取材するようになって初めて、釜炒り茶を飲んでびっくりしたんです。
香りがすばらしい!
そして、その味も、実に私好みでした。
小さい頃から飲んでいた煎茶より、私、釜炒り茶のほうが断然好きだ!!!(≧▽≦)
と目覚めます(笑)
そんなわけで、九州に来るなら、釜炒り茶の生産者さんをお訪ねしたいと思っていたのです。
釜炒りのお茶の製法は、中国から九州に伝わってきました。
蒸し製茶が主流になっても、その歴史を大事にし、絶やさないようにと、釜炒り茶を作ってこられた九州北部の茶農家さんたち。
その心意気、あっぱれじゃないですか。
興梠さんは、でも、ちゃんと煎茶も作って品評会に出すそうです。
釜炒り茶を大事にしつつ、煎茶の腕も磨いているというところも、職人気質、すごいな、って思います。
釜炒り茶は、昔ながらの炭火で炊いて作るそうです。
そんなに手をかけたら量を作れないのに、そこはやはり釜炒り茶職人として譲れないプライドなんでしょう。
しかも農薬は使わない。
釜は水平釜を使っているとのことで、熊本や宮崎では水平釜を使うんですって。
ちなみに、嬉野のほうでは、傾斜がついた釜を使うとのこと。
傾斜がついているほうが、作業がしやすい(といっても煎茶に比べると釜入りは作るのが難しいそうですが)けれど、伝統的な水平釜にこだわっているそうです。
品種ごとの釜炒り茶、烏龍茶、ダージリン風紅茶、紅茶……いろいろ試行錯誤で作られた、少量のお茶をたくさん試飲させていただきました。
興梠さんのお茶への思いをうかがいながら、珍しいお茶をたくさん出してくださって…なんという至福の時!
2019年のアワード入賞の萎凋したふくみどりの釜炒り茶、やぶきたの釜炒り烏龍茶には特に感動♪♪
ほかにもいろいろ、買わせていただいたので、一人で独占せず、お茶好きさんとわかちあえたらと思っています(#^.^#)
向こうに見えるのが阿蘇連山とのこと。
右手の丘の上に見えるのが「五ヶ瀬ワイナリー」。2005年にできたようです。
なんとオシャレな!
お昼はここでいただきました(ブッフェ式)。
地元の食材を使ったお料理がたくさんで、おなかいっぱい食べちゃいました。
お茶にももう少し、地元のお茶農家さんとタッグを組んでいいものを作るといいのになあ、と思いました。
(つづく)