2020年8月23日日曜日

蘭字展@フェルケール博物館

前回書いた『ショパン展』は、お友だちと行ったのですが、コロナ禍なので、会場内でのおしゃべりは禁止です。 
終わってからランチへ。そこでは気兼ねなくお話できました(もちろん食事している以外はマスク着用で)。 



ランチは『祥瑞』という、北京ダックや小籠包がおいしいことで知られるお店でいただきました。静岡市内に2店舗あり、こちらの駅南のお店は、落ち着いた店構えなので、こちらのほうがゆっくりできる、とお友だち。 


入り口にディスプレイされている真っ白いお皿は、ノリタケみたいです。こういうセンスがいいですね。 



麺もおいしそうでしたが、悩んだ末、夏チャーハンのランチコースを選びました。 ランチには、サラダ、スープ、そしてミニ点心(小籠包&焼売)、デザートがついてます。どれもおいしくて、大満足。また来たいです。 お友だちとはここでわかれて、私はもうひとふんばり、清水まで足を延ばしました。 


駅前で見つけた、お茶のタクシー。お茶のまち静岡市、と書いてあるので、静岡市内全域で走っているのかな??? 

清水に来た目的は、フェルケール博物館で開催中の『蘭字 輸出用茶箱絵の世界』を見るため。今日は、展覧会のはしごです。 

日本から輸出した、お茶の箱に貼られていたラベルのことを「蘭字」とよびます。
入っている商品が何で、だれが、どこへ送るのかがわかるという実用性を超えて、そのデザインや色に、私はとても惹かれるんです。
(もともと私はライターではなく、デザイナーを志望していたからよけいかな) 


 
チラシに使われているニワトリの絵が描かれたラベル、これが蘭字のひとつ。
 「おはよう」という日本語とニワトリ、そして”100%純粋な日本茶”という宣伝文句と、会社名が描かれています。囲んでいる飾り罫も素敵ですよね! 

 会場には明治時代の木版蘭字から1960年代まで使われたオフセット印刷の蘭字まで、100点あまりが展示されています。 
第二次世界大戦後、輸出先がアメリカ大陸から、旧フランス領のアフリカや西アジアに移ったため、蘭字の雰囲気も、写真のようなデザインから、中東っぽくなってくるのもおもしろいです。 

 な、なんと、展示の中に、「タータンTartan」と書かれた蘭字を発見!!!!
撮影禁止なのでお見せできないのが残念なのですが、タータン模様の蘭字です!!
コーフン(≧▽≦) Rob Roy Tartan  Japan Tea  imported by Balfour, SMYE&Co., HAMILTON とあり、静岡のヘリヤ商会から輸出。 ロブ・ロイ・タータンは、赤と黒が均等の割合で格子柄になっているタータンなのですが、その蘭字も、ちゃんと赤と黒の格子柄になっています!!!か、かわいい~~~(*'ω'*) 

ハミルトンというのは、スコットランドのグラスゴーという大都市の南東にある町。そこの会社が、日本茶(たぶん緑茶)を輸入したんですね。
スコットランドに輸出するために、タータン柄の蘭字を作った・・・ヘリヤ商会さんのデザインでしょうか、粋です!!! 

いつのものか書かれていないのでわかりませんが、木版印刷なので、オフセット印刷になる前のもの、19世紀後半~20世紀初期でしょうか。 
タータンの蘭字はほかにも何種類か作られたのかな。タータンおたくとしては大変に興味のあるところです。 

この企画展は9月6日までですが、先日の日記に書いた、「ふじのくに茶の都ミュージアム」の蘭字に関わる展示のほうは10月5日までやっていますよ~。 

お子さんの研究テーマとしてもぴったりだと思います。 

また、フェルケール博物館は港の博物館なので、船や海に関する展示が充実しています。
1階常設展示の一角に、ちょこっとだけ、蘭字と茶箱の展示がありました。 



 
こういう茶箱が、積み荷として港に山積みされている写真も展示してあり、そうした写真を見ると、なんだか、わくわくしてくるんですよねー。 


 
↑こちらは和船の展示 船酔いしてしまうくせに(笑)、帆船とか、港とかにはロマンを感じて憧れてしまう私。


街角の時計は船舵の形をしています。


このフェルケール博物館は、居心地がよくて好きな空間です(遠くてなかなか来れませんが…)。博物館のまわりを水が流れていて・・・すがすがしく・・・ 


 
鳥が水浴びをしている姿を発見。暑い日だったので、気持ちいいんでしょうね。 

博物館から歩いてすぐそばに「エスパルスドリームプラザ」があります。ちびまる子ちゃんランドが入っているショッピングモール。
帰りはここでちょこっとお土産を買って、帰路につきました。 


 
「清水の紅茶」は、”まちこ”という茶の品種を使ってつくった国産紅茶の缶。 
まちこは静岡市清水区のみで生産されている茶。正式な品種名は「静7132」というのですが、そんな番号の名前ではかわいそうだと思った、地元清水のお茶摘みさんが、ご自身のお名前をつけたのがはじまりとか。 

桜葉の香りがする天然成分・クマリンを含んでいるということで、これをブランド化する動きが活発です。 
ちびまる子ちゃんの作者・さくらももこさんの「さくら」と、まちこの「桜葉の香り」が偶然にもマッチして、清水という町をもりあげているようですね♪ 
さくらももこさんと私は一歳違い。なので、ちびまる子ちゃんの時代はまさに私の子ども時代とぴたりと重なります。 お亡くなりになったことがショックで、本当に残念でなりません。