2020年1月15日水曜日

長崎・佐賀旅行⑥ 有田

長崎・佐賀旅行ハウステンボス編はこちら。



長崎・佐賀旅行 有田編(その4)
長崎・佐賀旅行 有田編(その5)


お昼は、トンバイ塀のある裏通りの「古民家・小路庵(しょうじあん)」でいただきました。
有田ではまちなかの狭い通りを小路(しょうじ)と呼び、この家の前の道は突き当りに柿の木があったことから「柿の木小路(かきのきしょうじ)」と呼ばれていたそうで、そこから小路庵という名前がついたとか。 


 この古民家は、江副孫右衛門(1885~1964。日本特殊陶業初代社長、日本碍子社長、東洋陶器(現 TOTO)社長・会長。有田町長もつとめた)の家だったところ。 
陶磁器市期間だけ見学ができ、ランチもこの期間だけ、有田食生活改善推進協議会の女性たちが特別に提供してくれています。
団体さんとテレビの撮影で満席状態でしたが、すみっこに入れていただくことができました(^^; 



 地元の食材を使った郷土料理を、地元の有田焼を使って提供。
有田のよさを知ってもらい、気に入ったら有田焼も買ってほしいという思いで御膳を作っているそうです(インタビューしているのが聞こえた…笑)。
この日の夕方の番組で紹介されたようですよ(どのテレビ局か忘れてしまいましたが)。 


 有田のごどうふが食べたかったのと、量が食べられないので、このくらいの女性向けの御膳がちょうどよくて、また、お母さん方が作った家庭料理の味が優しくて、おいしかった!!器も素敵でした~。 

トンバイ塀の裏通りから表通りへ出て、メインストリートを歩きます。 


 
こちらは有名な陶磁器メーカーで、宮内庁御用達の「深川製磁」。1894年の創業。
香蘭社の深川栄左ヱ門の次男・深川忠次が、工藝陶磁を作りたいと設立したとのこと。

香蘭社と深川製磁はきょうだいなんですね~。
1900年パリ万国博覧会では大花瓶が金賞を受賞するというすばらしい実績をお持ちです。 

昭和9年に完成したこの本館建物は、経済産業省の「近代化産業遺産群」に選出。
外壁タイルは、フランク・ロイド・ライトが帝国ホテルで使ったのと同じもの。 


富士山に流水、が深川製磁のマーク。深川忠次は、富士山を吉祥の象徴として捉え、そこに伝統的地紋や草花を配し、日本独自のデザインとして世界に向けて発信していったとか。 


建物の中にも、富士山のステンドグラス(大正期の制作とされる)がすえられています。
とてもきれい。 
深川製磁が手がける陶磁器のテーマパーク「チャイナ・オン・ザ・パーク」にも行きたかったのですが、遠いため、今回は時間もなくて行けませんでした(;O;) 


深川製磁の向かいにあるのが「有田異人館(旧田代家西洋館)」。国の重要文化財。
有田焼の買い付けに訪れる異人さんをもてなしたり宿泊させるために、豪商(一時は有田焼の海外貿易を独占)・田代紋左衛門の息子が1876年に建てたもの。
寄棟づくりの二階建て、和洋折衷(擬洋風建築)が特徴です。 



シャンデリアの上部の笠も、見事な有田焼。




歩いてすぐにところに、深川製磁の親会社ともいえる「香蘭社」があります。
九州で最初の法人企業が香蘭社だったそうです。 




こちらも世界の万国博覧会で賞を受賞して評価を高め、宮内庁御用達の名誉を授かっています。ショールームの上は美術館になっていて、まばゆいばかりに繊細で美しい作品がずら~っと並んでいました(≧▽≦)
残念ながら撮影は不可。 
敷地の奥にも、蔵のような美術館があります。こちらは時間がなかったので見れず…。

陶磁器にまつわる美術館は、他にも有田にはたくさんありますが、今回はとにかく時間がないので、有田の町の様子、陶磁器まつりの全体像を把握するだけで満足することにします。 


歩き回って疲れたので、香蘭社の向かいに見つけたカフェで一休み。
香蘭社のカップでした! 
ここで体力をちょこっと回復させて、いよいよ、ラストスパートへ!(^^)! 

 (つづく)