2023年12月28日木曜日

モンゴメリのレシピを作った感想

私が訳させていただいた『赤毛のアン レシピ・ノート』のなかにある料理を実際に作ってみた感想です。15年以上前にブログに掲載した記事ですが新しいこちらのブログには転載せずお蔵入りしていました。
データ整理をしていて発見し、自分でもがんばって作った記録になるのでこちらのブログに掲載します。

読んでいくうちにおわかりになると思いますが、私、料理づくりは得意ではありません……が、私の失敗がみなさんの成功の役に立つでしょう!(笑) 



*現在はまだ販売されていますが絶版になる日も近いので新品をお求めの方は早めのご購入をお勧めします。私からお送りすることもできますのでお問合せください。

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あ行

51ページ アスパラガスのレモンソースがけ

ゆでたアスパラガスに、バターとレモン汁を加えたものをかけるだけの簡単料理。バターとレモンの組み合わせは、129ページのオランディス風ソースにもあるが、そちらほどくどくはない。たまにはこういう洋風ソースもいいかも。レモン味が苦手な子どもには、やはりマヨネーズのほうがいいようだった。


741ページ アップルソースケーキ

これも友人が作ってくれました(^_^)v。P28の「マリオンのオレンジケーキ」も一緒に出してくれました。どちらも、どっしりと重いフルーツケーキ(パウンドケーキ)と見た目も味も似ていました。味が違うだけという感じです。
オレンジケーキのほうは、オレンジが丸ごと入っている、つまり、皮も入っているので、気になる方には気になるかもしれません。また、2,3口はいいのですが、あとはなぜか飽きがきてしまいます。アップルソースケーキのほうが飽きずに食べられる味付けだと思いました。アップルソースは、アップルジャムを使ったそうです。

また、デイツが手に入らなかったとのこと。デイツはとってもおいしいのに、日本ではなかなか手に入りません(これを書いた15年前の話。今はネットで手に入る時代になりました)。

131ページ アニーおばさんのレモンパイ

料理上手なアニーおばさんのレモンパイ。
モードのレモンパイと違うのは、コーンスターチで固めていないところ。
‘スポンジ状の軽いプディング’と本に書いてあるように、できあがりは、モードのレモンパイとは違って軽い口当たり。ふわふわとしたスポンジと、プディングのようなコクが絶妙なバランス。食べやすいのはこちらのほうかも。
でも、個人的には、モードのレモンパイのほうが好きかな。味は相変わらず甘い。レシピでは少な目の砂糖の量が記してあるが、もう少し少なくてもいいかもしれない。

ひとつ、私の訳ミスがありました。作り方の1番に「塩、こしょうを加える」と書いてありますが、これは正確には「塩、バターを加える」だった。どうしてこしょうを加えるのだろうと思いながら、私はひとふり、こしょうを入れてしまった(でも、ひとふりだったので味に影響はなかった…)。あとから原書を調べたら、こしょうではなくバターだった。気をつけて訳していたのですが、本当に申し訳ありません。

モードのレモンパイのときもそうだったが、泡立て卵白を焦がさないように気をつけすぎて、焼きが甘くなった。火をしっかり通すために、温度を下げて長く焼くほうがいいかもしれない。

それともうひとつ、パイ皿について。PEIで買ったパイ皿(底の直径18センチ、上部の直径22.5センチ)が、ぴったりだった。アニーおばさんのレモンパイのほうは液体を流し込むので、パイ皿が小さいと入りきらない。大き目のパイ皿を使うとよいと思う。


23ページ オレンジビスケット

ベーキングパウダーを入れてあるので、スコーンのようなカリカリ感がある。抜き型で抜いた生地のうえに、オレンジの絞り汁にひたした角砂糖を押し付けて(つまり砂糖衣にする)から焼くのだが、砂糖の量を減らしてしまうとおいしくないビスケットになってしまう。というのも、生地に砂糖が入っていないので、この砂糖衣がおいしさのポイントになっているからだ(私はけちってしまって、おいしくないビスケットになってしまいました)。
それと、抜き型は、大きめの抜き型を使うほうがいい。小さいと、角砂糖を押し付けにくいし、オレンジの風味を存分に味わえない。オレンジ好きの人にはたまらないお菓子です。オレンジの皮もすりおろして生地に入れてあるので、多少、皮の苦味がある。私は気にはならないが、気になる方は絞り汁に代えてみるとよいかも。

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か行

184ページ キャロットプディング、ブラウンシュガーソースがけ

苦労をして、冷凍カラントを手に入れたので、早速キャロットプディングに挑戦してみました。じゃがいものすりおろし時に出る水分はきちんとしぼったほうがいいですよ、私はそのまま入れてしまって水っぽくなってしまいました。カラントがドライではなく生を使ったので、よけいに水っぽくなったのかもしれません。

牛脂がないので、クリスコで代用し、量を少し減らしました。蒸したケーキというのが、どうも馴染めないのですが…不思議な食感です。やわらかいような、ベタっとしたような。でも、味はおいしいです。じゃがいもとにんじんが入っているので、甘ったるい感じはなく、カラントのつぶつぶが口に残って、私は好きです。PEIの人々がクリスマスに作るフルーツケーキに似ています。レーズンはあえてくだかずに入れましたが、できあがりのケーキの中にレーズンが見えたほうがおいしそうな感じがしたので、くだかなくてよかったと思いました。

そのままでも充分おいしいですが、181ページにあるブラウンシュガーソースをかけると、また違ったおいしさ。ソースがあるだけでとたんにお菓子になります。ブラウンシュガーソースは、キャラメルのような味で、子どもはこのソースだけなめて喜んでいました。


44ページ クランベリーゼリーのサラダ

これも友人宅でご馳走になって、自分では作ってません(^_^;)。実は、私は個人的にゼラチン料理はあまり好きではないのです(だからこのトライアルダイアリーにはゼラチンを使った料理が出てこないのです…)。おまけに、ゼリーや果物をサラダに入れるということも耐えられない性格で…。友人が作ってくれたおかげで、ゼラチン料理の味を確かめられることができて、本当にうれしいです! 

とはいえ、砂糖で甘味をつけたゼリーをサラダにしたこの料理は、何と言って表現していいのかわからないです…味が微妙で。ドライ・クランベリーを使ったためか、酸味がないと友人が言った通り、砂糖の甘味が強く(砂糖の量は減らしたそうですが)、お菓子のようです。が、セロリとマヨネーズがあって、やっぱりサラダ?という感じ。クルミはアクセントになっていて、おいしいです、ぜひクルミはおつけになってください。

結論は、私達のサラダへの観念を捨てて食べれば、変り種でおいしいということです。砂糖の量をもっと少なくして、クランベリーの酸味がもう少し出れば、サラダの感じがもっと出るかもしれません。赤いゼリーは見た目にもきれいですし、レタスの緑色との調和も見事です。

89ページ クリームキャラメルケーキ

これはおいしいケーキです! ただ、レシピ通りにアイシングを作ったら、多すぎました。日本人には、半量で充分です。
また、砂糖の分量も減らしたほうがいいです。甘すぎます。
生地自体は、あまり濃厚な感じはありませんので、やはりアイシングは必要かな、と思います。アイシング作りはおもしろかった! 水に入れて、指で柔らかいボールが作れる状態にまで煮詰めるのですが、本当に柔らかいボールが作れるんです!! 一度お試しください。実験みたいで、子どものように楽しんでしまいました!

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さ行



161ページ サーモン・ローフ


日本の鮭缶は高いので、夏にPEIに行ったときに、スーパーから鮭缶を買ってきました。PEI産の鮭ではなく、アメリカのクローバー・リーフという有名な缶詰会社のピンク・サーモンの缶詰ですが。缶詰の鮭は213gと、ちょうどレシピの半分の分量にあいました。

これも、思ったより簡単にできた料理です。卵をどのくらい泡立てたらいいかわからなかったけれど、泡立てれば泡立てるほど、仕上がりはふわっとするようです。  

私はパセリが苦手なんですが、焼いてしまうとパセリ臭味が飛び、まったく気になりません。半量で作ったので、「ローフ」といえるほどの厚みが出ませんでしたが、でもなんとなくそんな感じには仕上がりました。半量で作るなら、わざわざオーブンで焼かなくても、フライパンで火が通るまで焼いてもいいかもしれません(まだ試していないけど…)。 

これはご飯にもとっても合うおいしいおかず!(お弁当にもグッド!) 
レシピには、温かいうちはトマトソースで、冷たいときはマヨネーズで、と書いてあるけど、私は温かくてもマヨネーズがいいな。


134ページ サッコタシュ

サッコタシュというのはアメリカ・インディアンの言葉らしい。ライマメとトウモロコシで作る料理(スープの一種)で、パイ皮をつけてポットパイにしたりもするとか。レシピには乾燥マメを一晩以上水につけて…とあるが、そのへんの手間は勘弁いただいて、ゆでである市販のミックス・ビーンズを使わせてもらった。そうすると、あっという間にできてしまう。
トウモロコシ缶も市販のものを使ったので、忙しい人にも簡単に作れます。主食として出された、と書いてあるが、モンゴメリのレシピ通りに作ると、濃厚なスープ。ポタージュのような感じ。シチューのようでもあり、チャウダーのようでもあり…。でも、スープとかポタージュとかシチュー、チャウダーって、どう違うんだろう? 

調べてみると、チャウダーとは「アメリカの代表的スープ。魚介類を主に野菜を煮込んだ実だくさんのスープ」。シチューは「特に肉、ジャガイモ、タマネギなどを炒め、スープで長く煮込んだ洋風の煮込み料理」。

スープは「汁物。コンソメ、ポタージュなどがある」。ポタージュは「どろっとした濃厚なスープ」。

ってことは、このサッコタシュは、魚介類は使っていないから、ポタージュということになりそうです。牛乳の量を少なくすればするほど、スープがどろどろしてくるので、具が引き立って、主食に近くなります。 

いずれにせよ、とってもおいしい! 
私はマメ料理が大好きなので、気に入りました。寒い秋から冬にはたまりません。熱々のをどうぞ! 
クロフォードさんのおすすめにあるように、さいの目に切ったソーセージを入れるとさらに主食らしい。ウインナーなんか入れてもいけそう。子どもも大喜びで食べると思います!


178ページ サンクスギビング・サラダ

クランベリーにセロリ、レタス、クルミ…この組み合わせは以前食べたような…そうです、P44のクランベリーゼリーのサラダでした。前回はゼリーでしたが、今回はクランベリーソースを使っています。
ものすごい砂糖の量でしたが、レシピ通り作ってみました。角切りにしたりんごとセロリに、レモンとオレンジの絞り汁をあえ、そこに甘く煮たクランベリーソースを混ぜます。クランベリーの赤い色と実が、とてもきれいです。それをレタスの緑色の葉のうえにのせると、まさにクリスマスにぴったりの、緑と赤の色合いが美しいサラダになりました! 

問題は味です。酸っぱい味と、甘いソースの組み合わせ…すごく微妙です。日本では味わうことのない新しい味と食感。まずくはないけど、おいしいともいえない…。あんなに砂糖を入れて甘く煮たソースが、レモンの絞り汁と混ざると、中和するというか、調和するというか、甘さはあまり感じなくなります。
でも、どこか甘酸っぱい感じで、慣れればおいしいと思うかもしれません。クルミも入っていて、ボリボリという噛み心地がよく、いつもと違うサラダにしたい方はぜひ挑戦してみてください!

70ページ シェパードパイ

ローストビーフの残りを上手に利用する方法、とありますが、私たちの普段の生活ではローストビーフさえ出てくることはないので、今回は牛肉の薄切りを使用しました。(スーパーで見かけたといって、友人がローストビーフを買ってきてくれて、少し、ローストビーフも混じっていますが)
レシピ通り、スライスしたじゃがいもを使いましたが、残り物のマッシュポテトを使ってもよい、とアドバイスにあるように、マッシュポテトにしたほうが食べやすいかなと思いました。
というのも、スライスじゃがいもだと、切り分けるのがたいへんで、切り分けて皿に移すときに気をつけないと、ぐちゃぐちゃになって見た目がよくありません。マッシュポテトだと、レイヤーケーキのように、具をぎゅっとはさんでしまえるので、切り分けたときも形がきれいです。
レシピには、いちばん上の層をビスケットの生地で覆ってもよい、とありましたが、面倒なのでじゃがいもにしました。ビスケットの生地で覆えば、レストランで出てくるパイシチューのようになるのだと思いますので、お客様に出すときは、そうするとよろこばれると思います。

いずれにせよ、味は、とってもおいしいです! レシピには、味付けが何も書かれていませんので、お好みで塩こしょうをすると、味わいが増しますよ。

159ページ シュガークッキー

「昔から、台所には欠かせなかったおなじみのクッキー」とあるように、私も島でよくいただいた。缶の中に作り置きしてあって、いつでも缶を開ければシュガークッキーがいただける。ステイ先のおばあちゃんの作るシュガークッキーは最高においしかった。柔らかくてサクサクしていて、真ん中にレーズンが埋め込んである。このレシピも、真ん中にレーズンが! あの、おばあちゃんのシュガークッキーを思い出しながら作ってみた。

クッキーのへりがきつね色になり始めるまで焼く、とあるように、焼き色がついてきたあたりで取り出すこと。色がまだ白っぽくていい。心配して焼きを長くすると固くなってしまって、せっかくの柔らかさが台無しになってしまうので注意。私はナツメグがなかったので入れなかったし、できあがりに砂糖もかけていない。そのままでも十分に甘いクッキーです。

おばあちゃんは薪ストーブのオーブンでシュガークッキーを作った。そのほうがおいしく焼けるのだという。その通り、おばあちゃんのシュガークッキーに比べると、固めだし、口当たりも違う。モードのレシピとまったくおなじ材料で作っていたとは思わないが、味にはやはりPEIが詰まっていて、うれしかった。

作るときに困ったのは、生地がとにかく柔らかいこと。だから冷やして、のばしやすくするのだろう。また、フライ返しを使って天板に移す、というのも、生地が柔らかいためだ。手早く型抜きをして天板に移さなくてはならず、焦った。

直径7センチの丸型で24枚できる、とある。私は直径5センチほどのもので抜き、40枚くらいできた。缶に入れて保存してある。いつでも食べられるように。島で、おばあちゃんは寝る前には必ずこのクッキーを出してくれた。牛乳と一緒に食べるとおいしいと言って、いつも2,3枚食べるのだ。モードの小説によく「寝る前のちょっと一口」というのが描写されているが、シュガークッキーが定番で出ていたかもしれない。

直径が大きいクッキー丸型が探しても見つからず、ジャムの空き瓶(蓋ではなく、透明な本体の瓶のほうです)を使ったら、これがとても使いやすい! 瓶は高さがあるので、ベーキングパウダービスケットのような厚い生地も楽々抜けるし、手も痛くならない。これからもこの瓶が大活躍することだろう。

62ページ スイス・ポテト・スープ

6~8人分とあるが、レシピ通りに作ったら10人分はありそうなほどの量にびっくり。通常なら、半分の量でよいと思う。このスープは、ゆでた野菜を裏ごしして使うので、サラサラ、クリーミーなポタージュスープになっている。白一色で、とっても上品。普段の料理で出すスープとしては手間もかかるし贅沢感があるので、人をもてなすときにぴったりだろう。
材料のホワイトターニップは、白カブで代用。牛乳1リットルに、野菜のゆで汁750mlを加えると書いてあるのを見て、味が薄くなるのでは、と思ったが、できあがりはやはり水っぽかった。ゆで汁は250mlに減らしてもよいと思う。濃いスープが好みであれば、ゆで汁を混ぜなくてもよいかもしれない。
私の場合は、低脂肪牛乳を使ってしまったので、コクはさらになくなった。そういう反省点はあったが、味はとてもおいしい。

137ページ スコッチ・ショートブレッド

バターを1カップも!と、バター使用量の多さに仰天しました。けれど、このお菓子はとってもおいしいです!!作り方も簡単! 友人が、まさにスコットランドで買った「ウォーカーズ」のショートブレッドの味だよ、と言っていた通りでした。コクがあって、サクサクとして、いくつでも食べちゃえます(カロリーは高いですが)。これは何度でも作って食べたいお菓子のひとつになりました。おすすめ!

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た行

21ページ チキンサンドウィッチ

簡単なので挑戦してみました。ローストチキンの残りで作るサンドイッチのようですが、ローストチキンを作る習慣がないので、わざわざ(!)ローストしなければなりません。
胸肉を使ってオーブンでローストしましたが、面倒であればゆでてもいいと思います。塩、こしょうをすりこんでローストしましたが、やはり味は淡白ですね。ゆで卵の量を少なくしたほうが、鶏肉の味がより前へ出てくると思います。卵が多いと、卵の味で消されてしまうと思いました。
オリーブの実は好きではないので今回は入れませんでした。サラダドレッシングは、フレンチにしましたが、とてもあっさり、さっぱりとした味です。セロリの味が利いています。モンゴメリはこういう、さっぱり味が好みなのかな。

濃い味が好みの方、子ども用には、マヨネーズであえるといいと思います(私も残ったものはそうしました)。野菜を入れてもいいですよね。私はゆでたマカロニを混ぜて量を多くし、翌日も食べました(^_^;)。だんだんとモンゴメリのレシピからは離れていきますが、アレンジするのも楽しいですよ。

25ページ ティーパンチ

冷凍カラントが手に入ったので、これも作ってみました。ラズベリーまでは手が回らなかったのでラズベリーはなし。作ったあとで思ったのですが、砂糖の量をレシピの半分に減らしても、やはり甘ったるい感じがあり、甘いのが好きではない方は、砂糖なしで作って、あとから砂糖を入れたほうがいいです。それと、砂糖の量のところに「カップ」が抜けていました(校正ミスがまた発覚)、申し訳ありません。

レモンもカラントも酸っぱいので、オレンジの絞り汁の量を増やしてもよいかと思います。酸っぱいのが好きな方はこのままでも。

全体的に、味はにんじんジュースに似ています。こんなに甘くなければ何杯でもいけそうなのですが…つくづく、砂糖を先に入れてしまったのが悔やまれます。

それにしても、こんなにフルーツの絞り汁を入れるなんて、贅沢。また、ビタミンたっぷりだし、酸味もあるので、夏にはぴったりの飲み物ですね。

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な行

54ページ ニュームーン・プディング



島で暮らしていたときに、ごちそうになったことがある。その時はこの本はまだ出版されておらず、モードの日記にあったレシピ通りに作ったわけだが、日記のレシピは、メレンゲに使われている砂糖が2倍の量だ。今回は少ないほう、「レシピ・ノート」に沿って作ってみた。

島で食べたときには、レモンの皮の苦味がとても気になった。今回も苦味はたしかにあるが、それほどではない(黄色い皮の部分だけすりおろしたからか)。でも苦味が嫌な人は、皮は使わずに絞り汁にしたほうがいいと思う(子供は苦味を嫌がって食べてくれなかった)。下の層は卵黄が3個も入ったプディング、上はきつね色に焼けたメレンゲ。ふわっとしたおいしいプディングで、いくらでも食べられそう。甘すぎないところもよかった。

冷たくして出すので、夏にもぴったりのデザートだ。小麦粉を使っていないのでふるう手間もなく、この本にある、今まで作った料理の中では簡単に作れるほう。

115ページ ノラのプディング

これはプディングというより、ババロア、牛乳味のババロアだ。オーブンを使わないし、作り方も簡単。冷やして食べるので夏のデザートにもぴったりだ。
そういえば、カナダで食べたマシュマロは、日本で売っているマシュマロより一回りくらい大きかったような気がする。レシピ通り15個入れたものの、もう2,3個多めに入れてもよかったかもしれない。レシピでは大きな型で冷やして固めているが、ババロアが山芋みたいにスプーンにピタリと張り付いてきて分けにくいので、最初からプリン型などに小分けにしたほうがよい。
また「ココナツを散らす」と書いてあるが、あまり味の調和はなかった。パイナップルだけで十分。ホイップクリームは飾りのようなものなので、普段食べるぶんにはいらないと思う。

パイナップルの代わりに刻んだいちごを置いてみたが、いちごは牛乳味のババロアにぴったりだった。フルーツなら何でも合うと思う。
また、フルーツ抜きで、メープルシロップをかけてみたら、なんととてもおいしかった。
ほかに、アーモンドの粉末(私の大好きなアーモンド味)をまぜてみたら、これもおいしかった。
でも個人的にはフルーツなしで、メープルシロップをかけたものがいちばんよかった。何もかけなくても、牛乳味がしっかりついているので楽しめる。

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は行

140ページ パークコーナーのリボンケーキ

クリスマス用に作りました。子どもがいるので、クローブやオールスパイスは入れず、個人的に好きではないモラセズもぬきました。それでもレーズンが入っているので、生地はとてもおいしく出来上がりました。

また、レシピには正方形のケーキ型に入れて焼く、と書いてありますが、うちには3つも焼き型がないので、100円ショップで紙製の丸型を買ってきて、それで3つ、生地を焼きました(焼きあがったあと、紙をやぶけば、3つの生地を簡単に重ねられるのでラクでしたよ)。ただ、型の直径が17センチくらいと、小さかったので、生地が厚くなり、上のほうが山型にふくらんでしまい、3つをきれいに重ね合わせるため、後で余分なところを切り落としました。

間には、いちごジャムをはさみ、生のいちごの細切りも加えました。いちばん上と側面には、泡立てた生クリームを塗って、トップにいちごをのせて、できあがり。とても豪華なケーキになりました。おいしい! と評判もよく、子どもも夢中で食べていました。

モンゴメリのレシピには、オレンジアイシングが載っています。このバージョンもやってみたところ、オレンジの爽やかな味が素朴で、とてもおいしかったです。
ただ、生地と生地の間にもオレンジアイシングをはさむのは、くどいような気がしました(いちばん上だけで充分だと私は思いました)。

3つの生地のうち、ひとつはバニラエキス、もうひとつはレモンエキスを入れて、風味を変えていますが、食べた感じではその違いはほとんどわかりませんでした(なので、オールスパイスを入れてもよかったかも)。もっと違いをはっきりさせたいのであれば、エキスの量を多めにしたほうがいいでしょう。

87ページ ピンク・レモネード

材料にある赤いジェリー。ジェリーとは果肉が入っていない透明なジャムをいうのですが、このジェリーが見つかりませんでした。市販のジャムは全部果肉が入っているし、市販のゼリーも何かしら入っていて、ただ赤いだけのシンプルなゼリーは見つかりません。
では自分でゼリーを作るしかないのですが、赤い色をどの果物で出すかというと、レシピにはチェリーやカラントなど、と書いてありますが、カラントは日本では手に入りづらいし、チェリーも季節でないと高価。
今日は赤は諦めて、桃をベースにしたミックスジュースを使いました。ゼリーの素にジュースを入れて、ゼリーを作ります。その時点で、ゼリーは赤ではなく、桃色(ベージュ系)。残念ですが仕方がありません。

レシピにある通り、飲む直前に電動ミキサーで泡立てると、きれいに泡立ち、とても涼し気。ゼリーが細かくなってグラス全体に浮いているのも、きれいです。夏にぴったりのレシピだと思いました。

ゼリーに甘みがあるし、砂糖も加えていますが、レモンがたっぷり入っているので、甘酸っぱいです(どちらかというと酸味の方が強いかな)。水で薄めて好みの味にすれば、子どもでもOK。うちの子は酸っぱいといいながら、全部飲んでしまいました。

ピンク・レモネードではなく、ベージュ・レモネードになってしまいましたが、これは夏にはぜひとも飲んでみたいドリンクです。モンゴメリはレモン味が大好きだったので、こういう飲み物を好んだのでしょう。でもやっぱり、赤いゼリーを使って、ピンクにしたほうがきれいですよね。今度はハイビスカスで、赤いゼリーを作ってみたいと思います。いちごでもいいかもしれません。

132ページ ファニーのドーナツ

かき混ぜる作業が多くて、電動ミキサーがない私はひたすら手を動かし続け、ぐったりと疲れてしまいました。昔の人は体力があったんですねえ。生地を厚さ1センチ程度にのばす、とあります。1センチはけっこう厚みがあります。薄く延ばさずおおざっぱにさっとのばして型でサッサッと抜いて、どんどん揚げていきます(抜いた後に長く置かない、と書いてあるので、焦ります)。

とってもおいしそうに揚がったのですが、食べてみると、もちもちしすぎていて、サクサク感がありません。市販のオールドファッションドーナツのようにずしっと重みがあって、中身が詰まっているのですが、食べてみると元気がないというか、ねばねばしているというか。
卵の泡立て方、砂糖とバターをクリーム状にするところ、混ぜ方、古いベーキングパウダーなど、問題だったかも、と思うところはいくつかありました…難しいですね。
また、砂糖がこんなにたくさん入っているのに、甘味が全然ありませんので、レシピにある通り「グラニュー糖をたっぷり」ふりかけないと物足りなさを感じます。
私は砂糖をふりかけたドーナツが好きではないので、砂糖をかけずに食べてみましたが、味のなさにびっくりしました。あとからメイプルシロップをつけて食べましたが、やっぱり、砂糖をかけたドーナツがいちばんいいと思いました。

73ページ フィッシャー夫人のコーンブレッド

できあがってびっくり! ブレッド(パン)ではありませんでした! 
ふくらみもせず、身がぎっしり詰まった焼き菓子のようです。コーンミールを使うと不思議な味になるんですね。日本人にはあまりなじみのない味です。味は、パンのような、お菓子のような…。うーん、うーん、と考えながら、いくつも食べているうちに、味になれてきて、おいしく感じられるようになりました。でも…やっぱり、失敗? 

ブレッドというからには、パンのようにふくらんで、もっと軽いはずでは。私の作り方が悪かったのでしょうか。たしかに、卵の泡立て方は足りないかな、とは思ったのですが。主人はベーキングパウダーが足りないと言う。うーん。

他のページのパンのレシピを見て、もしかして、ベーキングソーダ(重曹)かも、と思い、重曹を使って再挑戦してみたところ、やっぱり失敗! ふくらんだことはふくらみましたが(それもとてもおいしそうに焼けたのに)、味がひどいものでした。ベーキングソーダの味が強く、食べられたものではありません。もったいないけど捨てるはめに(せっかく作ったのに…ショック)。焼け感は、パンというよりはパウンドケーキ(あるいはマフィン)のような感じでした(中身がぎっしり詰まったお菓子ですネ)。

友人に聞いてみたところ、以前TVで見たコーンブレッドは、確かにパウンドケーキみたいなものだったというのです。彼女もモンゴメリのコーンブレッドを作ったことがあり、やはりパウンドケーキのようだったとか(つまりあまりふくらまない)。また、古いベーキングパウダーを使うと、ふくらまないこともあると教えてくれました(私が使ったのは古いベーキングパウダーでした!)。ただ、コーンミールは、イーストを使うパンでさえ、ふくらみが通常に比べて悪くなると、友人も言っていたので、とにかく新しいベーキングパウダーでもう一度焼いてみることに。

三度目の正直で、成功しました! 
卵の泡立てをしっかりやり、ベーキングパウダーも新しいものをしっかり用意。出来上がりは、やっぱりパウンドケーキ(マフィン)でした。味も、やっぱり不思議な味。おいしいような、おいしくないような。
主人はホイップ・クリームなんかかけたらおいしくなるんじゃない、と言っていましたが、確かに、何かかけるといいかもしれません(甘くはないので)。

32ページ ブラウンシュガー・アイスクリーム

このアイスクリームを作りたいがために、フリーマーケットで小さなアイスクリーム製造機を買った(とても安くてうれしかった)。レシピの分量はこの製造機には多すぎるので半量にした。
ブラウンシュガーには、三温糖を使ったのだが、これでは「ブラウンシュガー・アイスクリーム」というほど「ブラウンシュガー」の味は出なかった。
というのは、バニラの量を、多いなあ、と思いながらレシピどおり入れたため、やはりバニラの味が強すぎてしまったのだ。製造機の説明書には5,6滴とあるので、そのくらいで十分だろう。でも主人はこのくらいでいいと言っているので好みの問題かもしれない。

バニラを減らして、黒砂糖で作れば、もっとブラウンシュガーの味が出ると思う。

初めて自分ひとりで手作りしたので、あっという間にアイスクリームが出来上がったのには驚いた。このレシピは、材料を火にかけてとろみをつけたり、卵を泡立てたり、ふるいでこしたりと、事前の手間が多いが、製造機の説明書にあるのはもっと簡単で、材料を混ぜて入れるだけと書いてある。それだったらこれから何度も作れそうだと思った。

(後日、説明書の通りの材料で作ってみた。モードのレシピほどのコクの深みは出なかったが、日本人好みのアイスクリームができた。でも主人はモードのレシピのアイスクリームのほうがおいしいと言ってました)

出来立てのアイスクリームはソフトクリームのように柔らかく、失敗したかと思ったが、そのまましばらく冷凍庫に入れて置いておいたら、普通のアイスクリームのように固まったので安心した。たいへん濃厚な味で、PEIで食べたアイスクリームを懐かしく思い出した。

PEIではアイスクリームがとても安くて、100円以下でスコーンの1スクープが食べられる。私が知っているいちばん安いアイスクリームは40セントだった。それでも日本人にとっては大盛りで、なおかつおいしくて、その店(ガソリンスタンド併設のお店)を通るときには必ず寄って、いろいろな味を試した。

値段はそれより高くなるが、PEIの牛乳を使ったカウズCOWSという地元のアイスクリーム店は、今では有名になり、ブランドとして知られている。トレードマークの牛の絵がユニークでかわいいと、Tシャツなどのオリジナルグッズまでが大人気で、通販もしているほどだ。この牛が、赤毛のアンに扮した絵があって、思わず笑ってしまった。こういうユーモアがうける理由のひとつ。この絵は今も人気があるらしく、ホームページでANNE COWで検索すると絵柄が出てくる。COWY POTTERというのもあって、ハリー・ポッターに扮した牛の絵が…。スパイダーマンに扮した牛もいる。見ているだけでおもしろい。

180ページ プラムプディングの女王

以前から作ってみたかった一品ですが、6時間蒸す、というところがひっかかっていました。今回はモンゴメリの誕生祝いということもあって思い切って作ってみることにしました。
量を減らせば蒸す時間も減るため、半量にし、容器も大きくて平べったいものを使いました(友人の家にそういう鍋があったので助かりました)。

香辛料のクローブとメースは省略、シトロンはレモンで代用。サイダーではなくオレンジの絞り汁を使い、牛脂はクリスコを使いました。
友人が料理教室に通っていて、お菓子作りに慣れていることと、事前に下準備をしてくれていたので、本当に助かりました! 

2時間蒸したあたりでちょうどよい具合で出来上がり、ブラウンシュガーソースをかけていただく。デイツのほうが量が多いのですが、やはりレーズンの味が強い。
それと、レモンの皮がやはり苦味があり、この苦味が、おそらくモンゴメリの好みだったのだろうと思います(大人の味ね)。モンゴメリはレモンが大好きだったから、レシピにもいつもレモンが登場するのだけれど、苦味が気になる方は絞り汁にするとか、あるいは省いてもいいかもしれません。

私がPEIで食べたプラムプディングにはデイツは入っていなかったような気がしますし、ソースも違うソースだったような…。やはり微妙に家によって入れるもの、ソースの味などが違うのだと思います。
まさにこれは、モンゴメリが食べたプラムプディングなんですよね。そう思うと、素朴な味わいがモンゴメリの頃のPEIを彷彿とさせてくれ、懐かしい感じがしました。
味はフルーツケーキに近いですが、フルーツケーキほど重くはありません。蒸す一方で、試しにオーブンで焼いたバージョンも作ってみたのですが、これは本当にスポンジケーキのようで、プディングという感じではなく、やはりプディングは蒸したほうがいい、と思いました。

22ページ フレイザー夫人のサンドウィッチ

友人宅でご馳走になりました。自分では作っていません(^_^;)が、おいしいですよ! 
レシピでは、バターとクリームチーズの量が半々ですが、友人はクリームチーズの量を多めにしたとのこと。赤ピーマンは、皮が硬いので火であぶって皮をむいてから使うようですが、友人はそのままミキサーで細かくしてから使ったそうです。バターとチーズを混ぜたものに、細かくした赤ピーマンを混ぜると、きれいなピンク色に変わって、見栄えもすてきになります。
私の子どもは赤ピーマンが苦手なので、やはり一口で食べるのをやめてしまいましたが、ピーマンなしなら喜んで食べたと思います。クリームチーズにくどさがあるので、パンに塗る量は少なくていいですよ。
また、これにレタスの葉をはさんでもGOODです。レシピにあるように、黒パンと白パンと2種類作って交互に重ねたら、パーティにもぴったりだと思いました。

129ページ ブロッコリー、オランディス風ソースがけ

オランディスソースというのは卵黄、バター、レモンジュースに調味料を加えて作る、マヨネーズに似たソースだという(食したことはないが)。置いておくと固まるため、モードは小麦粉と牛乳を加えて凝固をなくした。その通り作ってみると…うーん。なんと言ったらいいのだろう…。苦労して作った割には、バターとレモンを混ぜたような味しかしない。くどい。砂糖が入っていないが、ケーキのフィリングみたいな味。ブロッコリーにかけて食べてみるも、あっというまに飽きてしまう。
フランス料理ではこういうのもあるのだろうが、普段の料理でこのソースは…。マヨネーズに近づけるために酢を入れてみたが、そうすると以前作ったOACドレッシングのようになった(砂糖を加えればまさにOACドレッシングになる)。
酢を入れたので少しはドレッシングのような感じになったが、やはり違和感が残る。野菜にかけるのはやめて、じゃあ、残ったソースをどうしようと(口に合わなかったときのことを考えて、半量で作ってみたのだが、それでも余った)考えた。トーストに塗って焼いてみた。ブロッコリーにつけるよりはよかった。トーストにつけるなら、砂糖を加えたほうがいいと思う。それでもまだ残っているので、先に作ったベーキングパウダービスケットにつけて食べてみた。もともとお菓子用のソースみたいなので、合う。甘さが好きな人はやはり砂糖を加えたほうがいい。

65ページ ベーキングパウダービスケット

これは、島でよくいただいたスコーンの味だった。スコーンには甘味がなく、ビスケットには糖分が入るそうだが、島ではスコーンを「ビスケット」と呼んでいた。136ページに「ハイランド・スコーン」の作り方が載っている。スコットランド発祥というスコーンは、中にジャムなどを詰めて三角形にして焼いたものをいうようだ。だから、これはスコーンではなく「ビスケット」。なおかつベーキングパウダーの量が多いので、ベーキングパウダービスケットだ。

小麦粉が「万能小麦粉」とあるので、強力粉と薄力粉を半々に混ぜて使った。弾力のあるいい生地ができたので、できあがりを楽しみにしていたのだが、膨らまず、かつ、カチカチに固い。焼きすぎもあったのだろうが、あとからインターネットでスコーンの作り方を見てみたら「バターを溶かして練りこむとサクサク感がなくなるので、バターは細かく切って溶ける前に混ぜ込む」とある。

また「こねすぎるとふくらみが悪くなる」ともある。どちらも私がしてしまったことだった!(作る前にチェックしておけばよかった…)バターもショートニングも溶かして使ってしまったし、よく混ぜ合わせようと思い切りこねこねしてしまったのだ。せっかくうまくいくと思ったのに、とても悲しい。せっかく作ったのに、固いので誰も食べてくれなかった…。仕方がないので一人で食べた。メープルシロップをつけたり、ジャムをつけたり、クリームをつけたり。固いけど味はよい。


155ページ ボストン・ブラウンブレッド

いつもの通り、レシピの半量で作ってみました。実は、私はモラセズがあまり好きではありません。それで、メープルシロップで代用してみました。

缶にプリーツをよせた紙をつけるのは、パンがすごくふくらむからなのですが、私の場合、コーンブレッド同様、全然ふくらまないのです! 紙をつけている意味がないので、途中ではずしてしまいました。

また、レシピには約2時間蒸す、とありますが、本当に2時間かかりました。それでもまだ中身がべちゃべちゃしていて、うまくできあがりませんでした。味はいいのですが…。ふくらまないわ、べちゃべちゃするわ…結局失敗に終わりました。
苦労したのに失敗なんて、コーンブレッドの件があったあとだっただけに、辛いですー。意外と、焼いた方が出来上がりがよいかもしれません。

そういえば、このレシピにもコーンミールが使われていました。コーンブレッドの一件があったので、コーンミール=ふくらまない、の図式が出来上がってしまって、今後、コーンミールを使うのがこわいです…(^_^;)。
でも、古いベーキングパウダーのせいかもしれないし、これもあまりふくらまないマフィンタイプのパンなのかもしれません。

83ページ ポテトサラダ、OACドレッシングあえ

OACドレッシングって、どんな味がするのだろう。ちょっと変わったポテトサラダを作れるかな、と思ってトライ。
ポテトサラダのほうは、レシピ通りはやめて(スイス・ポテト・スープのことがあるし)半量で作った。ドレッシングのほうは、通常は半量にするとよい、と書いてあるが、それでも多いと思い、3分の1の量にした。3分の1の量でちょうどよかった。

くせのある味なので、好みが分かれると思う(私は好きだが、たくさん食べるとくどく感じる。ちなみに主人はあんまり好きな味ではないと言った)。
泡立てた卵を加えた、ふわふわの甘酸っぱいドレッシングで、色はたまご色。ほほう、こういうドレッシングもあったのかあー、と、感動してしまった。
本には、ホイップクリームを混ぜると、どんなサラダにも合うドレッシングになる、と書いてあるが、ホイップクリームを入れたらさらにくどくなりそう…。粉末マスタードが方々探しても見つからず、市販の液体状マスタードを使った。

ホワイトビネガーも見つからず、普通の米酢にした。日本で手に入るものには限度があるので仕方がないが、ちょっと悲しい。

ポテトサラダのほうは、ピーマンの角切りが入っているので、苦味がある。子供は食べないので、苦味のないパプリカにするか、きゅうりに代えてもよいと思う。できあがりは豪華で、本に書いてあるように、ゆで卵とトマトを付け合せると、彩りがとてもきれい。

ただ、ポテトサラダにも、ドレッシングにも卵がふんだんに使われているこのレシピ。つけあわせのゆで卵も入れれば、あっという間に10個の卵がなくなる(レシピ通りの場合)。サラダひとつに、卵10個は贅沢! ドレッシングには砂糖もバターも牛乳も入っていて、カロリーが心配になってしまうのは私だけ?

42ページ ポテトパフ

新じゃがいもの季節になったので、じゃがいも料理にトライ。
42ページの「ポテトパフ」は、材料を見ると、スウィートポテトと同じ。お菓子の部類に入るのか? 早速作ってみる。
じゃがいもの裏ごしは、今までしたことがないので、‘なめらかでお米のようなねばり気’が出るのには感動してしまう。お菓子の雰囲気がますます高まる。きつね色に焼けたポテトパフ、まさにスウィートポテト。口に入れてみると、不思議な食感だった! 

ふわふわとした軽い口あたりなのに、甘さはまったくない(味付けが塩・こしょうだけで、甘味をつけていないので当たり前なのだが)。お菓子のようで、お菓子でない。これはメニューのメイン料理である「スタッフィング詰めカモまがいのポーク、りんごぞえ」の「添えもの」、という扱いなのだろう。
ロースト・チキンやロースト・グースの添えものとして、マッシュポテトが出るのが普通だが、ただのマッシュポテトではつまらないということで‘質素なじゃがいもを上品に出す方法’として紹介されているのだと思う。手間がかかっているし、見た目にもお菓子のようなので、確かに上品である。

私は、塩・こしょうを軽くした程度だったので、味が薄かった。もう少し濃くするか、あるいはソースをつけて食べるとよいと思う。ケチャップ、マヨネーズ、オーロラソースなど、どれをつけてもおいしかった。
和風ドレッシングをつけて食べたところ、これもよかった。じゃがいもなので、どんなソースでもおいしく食べられる。ただ、ふわふわに焼いてあるので、ポテトサラダと違っておなかにはたまらない。やはり、肉料理の添えものとして出すのがぴったりだと思う。

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ま行

157ページ マートルのプディングケーキ

いちごは、9割がビニールハウスで育てられているんだとか。そのいちごがいちばんおいしいのが、12月~2月だと教えてもらった。
浜松で売っているいちごは「あきひめ」。いちごがいちばんおいしい時期に、このケーキを作ってみようと思った。
レシピでは、つぶして砂糖を加えたいちごが約4カップとある。4カップ(1リットル)! 
いちごはただでさえ高価だし、4カップは多いと思ったので、とりあえずいちごを1パックだけ使った。砂糖の量も少し減らした。できあがって食べてみると、もう少しいちごがあってもよかった。2パックぐらいがちょうどよいと思う。

レシピでは、生地と生地の間にいちごをはさむようになっている。しかし、「プディングケーキ」とあるように、できあがりはプディング状になるため、生地はトロトロの状態でやわらかすぎる。レシピにあるように「層」にしようと思っても、砂糖を含んだいちごが重すぎて生地の中に混じってしまい、マーブル状になってしまった。こんなんでよいのだろうかと思いつつ、焼いてみる。

できあがりは、まずまずだった。火がしっかり通るまで焼いてしまうと、固くなってしまって、プディングケーキから遠ざかってしまう。中がまだ柔らかい程度で、一度取り出して食べてみるといいと思う。私は少し固く焼いてしまった。ふんわりと仕上げるには、小麦粉をふるわないほうがいいと、以前島の人から聞いたことがある。混ぜるときも、ざっくりがいいというのだ。お菓子類は、本のレシピ通り、一度ふるってから作っていたが、できあがりを食べてみると、キメが細かすぎて生地がぎゅっと詰まってしまっているような気もする。「レシピ通りにやってもできあがりが最高とは限らない」と、島の人がよく言っていた。そういえば、ステイ先のおばあちゃんも、小麦粉をふるわずに使っていたけれど、ふんわりとしたおいしいお菓子ができあがっていた。今度はふるわずにやってみようと思う。
洋菓子は、ふるったり、泡立てたりと、作業が面倒で、時間がかかるし、手が疲れる!(実は手動でやっているので) ふるわずに済むなら、不精の私にはありがたい。

できあがったケーキには、クリームをかけて出す、とレシピにある。クリームをどうしようか、迷った。クリームは高価だし、日持ちもしないし…。牛乳とかコーヒー用ミルクで代用しようかとも思った。でも、コクのあるクリームをかければ、確かに味わいが増す。ふんぱつして買ってみた。
クリームをかけたら、本当においしかった。生のいちごにクリームをかけて食べるだけでもおいしい。いちごにはクリームは欠かせないと思った。あまったクリームは、別のお菓子を作るのに使う。無駄にしないようにと思うと、お菓子を作り続けることになる。作り慣れていない私には、大変…。
ところで、クリームを紅茶に入れたら、ロイヤルミルクティー風味になった。砂糖を入れなくてもほのかに甘みが感じられる。おいしい!


52ページ モードのレモンパイ

人々の称賛を集めたという、モード自慢のレモンパイを作ってみる。レモンは皮もすりおろすので、無農薬のレモンを買う。
コーンスターチがなかったので、片栗粉で代用した。できあがって食べてみると、本当においしい!! これはみなさん、ぜひ作ってみてください。
甘いです、本当に。なにしろ砂糖がたっぷりですから。でも、この甘さがPEIらしい…。一度この甘みを味わってみてほしい。

また、卵を3個も使うので、コクがあり、デザートの究極をいっているように思う。もういらない、と思いながらも、また食べてみたくなる、まさにそんなレモンパイ。

パイ皮に流し込む中身は、コーンスターチを入れてあるのでとろみがつくのだが、「とろとろ」ではなく、固めのゼリー状にしたほうがよいように思う。私の場合は少しゆるかったので、パイから汁が出てきてしまった。
それから、パイの上にかける泡立て卵白に、レシピでは砂糖が大さじ2入れてありますが、パイ自体が甘いので、入れなくてもいいかな、と感じた。

レモンの皮をすりおろして入れてあるけれど、砂糖の甘みで、皮の苦味は消えていた。皮は、白い部分まですりおろすと苦味が増すからと、私は表面の黄色い部分を中心にすりおろしたため、分量に満たないかも、と心配になる。でも、レモンの絞り汁やすりおろした皮の分量が本に書いていないので、実際にどのくらいの量を必要としているのかわからない。それでも、焼きあがりのレモンの風味は十分だった。

116ページ モック・チェリーパイ

モードの息子スチュアートが亡くなるまで恋しがったというパイ。一度食べてみたいと思っていたもの。
けれど、材料にあるクランベリーが、どこを探しても見つからない! ドライクランベリーも見つからないので諦めかけていたところ、友人が(彼女もモードのレシピをあれこれ作っていて、時々おすそ分けをいただく(^^♪)クランベリーの砂糖漬けを買って持っているというのです!そして、半分、分けてくれるという、うれしいお言葉。

レーズンのほうはドライしか売ってないので、それを使いました。レーズンとクランベリーをつぶす、とレシピにあるが、ドライレーズンがつぶしづらいため、フードプロセッサーに入れてつぶそうと考えた。
ところが、かたくて、フードプロセッサーが動かない。振ったりなんかして、なんとか細かくできました。レシピには、レーズンはそのまま使う方法をお勧め、と書いてあるけれど、ドライレーズンをそのまま使うのは見た目にあまりいい感じがしないし、かたいので、やはりある程度はつぶしたほうがいいかと思います。

材料を鍋に入れて、ジャム作りの要領でパイの中身を作る。私の場合、レシピ通りに水を入れたのですが、水が多すぎてトロトロしすぎている感じ。水はレシピの半量にして、あとは様子を見ながら足していくほうがいいと思います。水気が多いと、パイを焼いたときに、パイから水分が出てきて、べしゃべしゃになり、せっかくきれいに焼けたパイが台無しになってしまいます。

パイ皮は、67ページにあるモードのパイ皮を使いました。クリスコを菓子材料店で見つけて使ったのですが、日本で市販されているラードを使った時よりも焼きあがった皮がおいしかった。おいしかったんですが、クリスコを1カップも使うことには、ぎょっとします(こんなに脂を使って、カロリーはどうなるんでしょう…)。

チェリーが入っていないのに、まさにチェリーの味、と書いてある通り、たしかに「チェリーパイだよ」と言われて出されれば、疑いなく食べてしまうでしょう。でも、私が感じるに、ちょっとレーズンの味が強いように思いました。また、クランベリーの酸味もちょっと強かった。甘酸っぱいパイは、それはそれでおいしいのですが、もう少し酸味がないほうが、個人的には好きです。

クランベリーを分けてくれた友人が、私の体験を聞いた後日、モック・チェリーパイを作ったとのこと。レーズンの量を少なめにし、クランベリーは砕かずにそのまま使ったので、チェリーの食感にはなったのですが、それでも酸味はあったし、多少べたつき感も。でも、残りを翌日に食べたら、とてもおいしかったとか。パイも一晩寝かすとおいしさが増すようですよ。それと、これもだいぶたってから知ったのですが、日本ではドライレーズンしか手に入らないので、料理に使うときはレーズンをお湯にひたして柔らかくしてから使うといいという。ああ、早く知ってれば…。みなさんは気をつけてくださいね。

93ページ モック・チキン

これも友人宅でご馳走になりました。うわー、またゼラチン料理…と思いましたが、意外や意外、おいしい!! 豚肉を使っているのにチキンの味…確かにチキンです!! 不思議、不思議、感動しました。

ゼラチンに、セロリやタマネギ、ニンジンの煮汁をしみこませてあるので、味に深みがあって、メイン料理にしてもいけるおいしさです。パンでもいいし、ごはんでもいい。夏の暑いときに、冷やしたこのモック・チキンはごちそうになるかも。見た目にゼリーっぽいのでそれを嫌がる方がいるかもしれませんが、食べてみればおいしいのでびっくりするはずです。

それにしても、どうして鶏肉の代用に豚肉を使ったんでしょう…。もしかして、鳥インフルエンザで鶏肉が食べられなかった時期がカナダにもあったのでしょうか?! 以前、私がイギリス旅行をしたときに、コウテイ病が流行っていて、行きたい名所のほとんどがクローズしていたことがあります。ちょうどそのころ、モンゴメリの日記を読んでいたら、コウテイ病が流行っているとかなんとかいう記述があり、昔からいろいろな病気があったんだなーと思った記憶があり、肉の代用レシピもそういう中から生まれたのかな、とちらっと思ったりしました。いずれにせよ、鶏肉があやしい今、このレシピはトライする価値があると思った私です。

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ら行

91ページ レモン・クランブルズ

そろそろレモン味にも飽きがきているがレモンが残っている。今回は苦味のもとになるレモンの皮を入れるのをやめた。その代わり少しレモンの絞り汁を多めに入れた(皮を使わないなら、生のレモンである必要はなく、市販のレモン汁で十分だと思った)。
小麦粉もふるわずに使ったが、出来上がりに問題はなかった。レモン風味のフィリングを生地と生地の間にはさんで焼くのだが、レシピを見ておわかりのように、生地の材料はどれも乾燥もの。バターだけがつなぎのため、その量がけっこう多い。私はバターの量を減らし、水を足して、生地をつなげた。
実際、バターの量をレシピ通りにしても、層にできるほど柔軟な生地はできないように思える(クラッカーとココナツの量が多いため)。いずれにせよ、生地ができにくいときは様子をみながら水を入れるとよいと思います。
生地の量としてはそれほど多くないので、薄くのばして層にしないと、上にかぶせる量が足りなくなる(私は少し足りなくなりました)。焼き型の大きさを20センチ四方くらいのものにしたほうがぴったりかもしれない。

できあがりは、砕いたクラッカーとココナッツの味のほうが強くて、レモン風味があまり感じられないが、味はとてもいい!主人にも子供にも好評でした。ほどよくカリッとした歯ごたえがあり、甘味もちょうどよく、ココナツ風味が好きな人にはこたえられません。お客様に出しても喜ばれると思う。