ボドリアン図書館と一口にいっても、26の図書館の総称で、個々の図書館にはそれぞれ名前がついています。
”ボドリアン”という名前は、図書館再建に多大な貢献をしたトマス・ボドリー卿からついたもの。
オックスフォード大学生が利用するので、館内を見学するにはガイドツアーを申し込まないといけません。
ハリー・ポッターのロケがされた図書館は、「ハンフリー公爵図書館(medieval Duke Humfrey's Library)」と、円形図書館の「ラドクリフ・カメラ(Radcliffe Camera)」。
2つを回るツアーになると料金もあがり時間も長くなりますが、それだけの満足感はあります。
今回、ハーフタームという繁忙期にあたり、団体の事前予約はできないと言われて(-_-;) 添乗員さんが当日オープン前から並んで、オープンと同時に予約をしてきてくれたんです(添乗員さん、ありがとう!)
1グループ14名が定員とのことでしたが、それだとツアー参加者さんのみになってしまうので、日本語ガイドさんを入れての15名で交渉をしてくださいました。
残った私と添乗員さんは、別のグループへ(日本語ガイドさんがツアー参加者さんのほうへ行ってしまったので(^^; 英語の説明を聴くのがきつかった!)。
カメラだけ持って、あとの荷物は全部預けます。
図書館利用者が迷惑しないよう、一人一人にイヤホンが配られて、ガイドさんが小声で説明するのをイヤホンをとおして大きく聴くようになっていました。
今回は時間の関係で、ハンフリー公爵図書館のみのツアーです。
写真撮影OKなのは一階の神学部(Divinity School)のみです。
ディヴィニティ・スクールは名前の通り、神学校の試験教室だったところ。
ハリー・ポッターの映画では、医務室としてロケされています。
映画のスチール写真もパネルになってありました。
天井の、模様のつなぎ目(?)にほどこしてある彫刻が、一つ一つ違うんです。
文字や動物、盾やら紋章的なものが、さまざま彫刻されていて、とても全部の説明ができないと、ガイドさん(でもけっこうあれこれ話してくれました)。
二階が、ハンフリー公爵図書館です。
蔵書をオックスフォード大学へ寄付したハンフリー公爵(ヘンリー五世の弟)からその名がつきました。
公爵から寄付された本を収めるために、あらたに図書館がつくられたのが1480年。
その後の宗教改革と政治混乱で荒れていたこの図書館を、ボドリーが再建しようとしたのが1598年。
書棚(ハリー・ポッターの映画にも出てきた)は当時設置されたものだそうです。
当時、貴重だった本は鎖につながれていて(現在はつながれていません)、デスクに刻まれた溝は、本を閲覧している間、鎖をたらしていくためのものでした。
写真をお見せできないのが残念です、本当に美しい図書館です。
(拙書『図説英国ファンタジーの世界』(河出書房新社)にはたっぷり写真を掲載しています。もちろん許可済みです)
実は私、仕事柄もありますが、小さいころから図書館が大好きで……。
特に、世界の美しすぎる内装の図書館にとても興味があり、『世界の図書館』(河出書房新社)という大型本も買ってしまったほど。
中世の鎖付き図書館を実際に見てみたくて、このツアーの前に実は行ってきたんですよ~~~(#^^#)
その話はまた後日。
(その15へつづく)