教会のあとは、C・S・ルイスが亡くなるまで住んでいた家「キルンズ(The Kilns)」へ。教会から歩いて行ける距離で、実際にルイスも歩いて通っていたとのこと。
ルイスはこの家を1930年に購入。
ここから勤め先であるオックスフォード大学モードリン学寮まで通いました。
ナルニア国シリーズを書いたのもこの家です。
ナルニア国シリーズの一作目『ライオンと魔女』で、洋服ダンスの奥に入っていくとナルニア国につながる、という発想は、第二次世界大戦のときに受け入れた疎開児童が発した言葉がヒントになったといわれています。
現在キルンズは、アメリカのC・S・ルイス財団が所有・管理をしており、アパートとしても貸し出しているため、中の見学には予約が必要です。
見学できる日も限られているのでHP(http://www.cslewis.org/ourprograms/thekilns/)をチェックしてください。
私のツアーでも、見学申請はずっと前から行っていましたが、日曜日はやっていないということで、残念ながら中は見れませんでした。
ただ、庭は自由に見ていいよ、と言われていました。
とはいえ、庭は、高い生垣で囲われていて、中に入っていくには勇気がいります。
実際に住んでいる方もいますし、住人の方にツアーが行くことが伝えられていないかもしれません。
添乗員さん、ガイドさんと、どうしましょうか…と話し合っていたところ、偶然にも、これから出かけようとして出てこられた住人の方が、特別に庭に入れてくださいました!!
勝手にドカドカ入ってくる人が多い中、私たちが静かに礼儀をわきまえて建物を見上げていたのを見て、感心して、この人たちなら、と思ってくれたのだそうです。
本当にラッキーでした。
庭でくつろいでいる方もいらっしゃったので、やっぱり、許可は得ていたとはいえ、勝手に入り込まなくてよかったです。
次回のツアーでは(次回の英国ファンタジーツアーがいつになるかはわかりませんが(^^;)中が見学できる日程で組みたいな~と思っています。
C・S・ルイス・スタディセンターではこの家で夏のセミナーなども行っているようなので、ご興味のある方はそちらもどうぞ♪
キルンズは、道路の行き止まりにあり、そこからわき道を入ったところに「C・S・ルイス自然保護地(C・S・Lewis Nature Reserve)」があります。
ルイスが住んでいた頃は、キルンズの敷地内でした。
今は、小さな池を中心にぐるっと回れる、森林公園のような、誰もが歩ける保護地になっているので、散歩にやってくる方々がけっこういます。
ルイスは、友人のJ・R・R・トールキン(『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビットの冒険』等の作者)とよくここを散歩していたそうです。
ナルニアや、なかつ国(英語ではMiddle Earth:『ロード・オブ・ザ・リング』の舞台)のヒントを、ここで得たのかもしれませんね。
ところどころに、妖精の家とおぼしきものが……!保護地管理者の遊び心でしょうか。
ルイスやトールキンの、ファンタジーの世界に憧れてやってくる私たちのようなファンへの心配りが感じられて、じんときました。
ここを自由に散策して……オックスフォードの町へ戻ります。
オックスフォードも、中心部まで大型バスは入れないので、少し離れた場所から歩きます。
お昼は「マクドナルド・ランドルフ・ホテル」を予約していましたが、予約時刻まで余裕があるので、自由時間となりました。
私はメイン通り(Broad Street)の、観光案内所やギフトショップ、本屋さんなどをぶらぶらと…。
もちろん、観光客もたくさん!!
また、時期的に試験後だったようで、黒いマントに花を挿した学生を多く見かけました(写真には花が写っていませんが)。
試験初日が白、最終日には赤いカーネーションを胸に挿す決まりがあるそうです。
そういう伝統ある慣習がいまだに続けられているのもオックスフォードらしさ、なんでしょうね。
(その9へつづく)