MRT「府中駅」から歩いて約10分。
清朝末期、貿易商として名をはせた林家の、中華建築庭園と邸宅が保存・公開されています。
1778年、中国の福建省から台湾に渡ってきた林平侯氏は、台湾で商いに成功。
1847年から邸宅と庭園をつくりはじめ、40年(!)かけて完成させたとか。
2013年に放映されたテレビ『温故希林 台湾 第一回 とことん台湾茶芸』で、故・樹木希林さんが、古民芸研究家の尾久先生と一緒にこの庭を訪ねていました。
ちょうどそのDVDを岡本先生が送ってくださったので、見てから行くことができ、様子がある程度わかっていたのでより楽しめました。
塀の右側に見えるのが、林家が住んでいた邸宅。
こちらの邸宅見学は時間と定員が決まっていて、見たい人は希望回の予約をしないといけないんだそうです。
そこまで調べてなかったので、庭園の側しか回っていませんが、それでも十分に見ごたえがありました!!
庭園は9区域にわかれていて、庭園が一望できないように隠す工夫があれこれされています。
それが、気持ちをわくわくさせ、曲がった先に現れる景色に感動したり、こんなところにこんなものが!という発見があったり…。
子どもの探検みたいに楽しいんです。
どこまで行っても次、次と、趣向の違う庭が出てくるので、いったい出口はどこ??という感じ。
それもそのはず、敷地は6万坪以上!!広すぎる!!でも楽しい!!
正直なところ、西洋式庭園が好きな私ですが…ここは固定観念にとらわれない、自由な発想でのびのびと作られている、普通の中華庭園ではないところがいいです。
庭園内の壁には、壺や桃など、さまざまな形をした透かし窓があります。
どれも違うデザイン!凝ってる!
モチーフには意味があるようです。
桃=長生きのこと
銭挿し=お金持ち
壺=福
瓢簞=福
ザクロ=喜
ガジュマルなどの本物の樹をそのまま生かしてくぐり穴にしていたり、展望台を作ったり、橋を渡したりしているところも遊び心があるし、池を隔てて舞台を作ったりと、細部にまで本当にこだわって作られている庭なんです。
これだけのものを作るのはさぞお金もかかったことは想像に難くなく、実際、莫大なお金をかけて作ったとのこと。林家の財力の証ですね。
上の写真は、VIPのお客さんのために建てた宿泊所、2階建ての「来青閣」。
その装飾の繊細さ、鮮やかさ、美しさにも目を奪われます。
赤レンガを使っていても、西洋ではなかなか見られない明るい色、派手好み(?)が、南国らしさ、台湾らしさを感じさせます。
1階の天井の真ん中には鶴、その周囲に4匹のコウモリがあって、中国語読みをすると福が授かる「賜福」という意味になるのだとか。
とにかく天気がよくて(暑いくらい)、空は青空。庭園はどこを撮っても絵になるほど美しく!!
岡本先生も、私も、興奮してバシバシと写真を撮りまくりました(笑)
その5につづく